
目次
記事の要約
- Sassor社が電力データ販売所を開設
- 需給調整市場から系統情報まで網羅的データ提供
- 分析しやすい形式で提供、データ収集の手間削減
株式会社Sassorが電力データ販売所を開設
株式会社Sassorは2025年5月15日、電力ビジネスに関わる事業者向けに「電力データ販売所」の一般提供を開始した。このサービスは、再生可能エネルギーの主力電源化や電力システム改革の進展に伴い複雑化する電力市場において、必要なデータを網羅的に提供することを目的としているのだ。
提供されるデータは、需給調整市場、JEPX、インバランス料金、容量市場・長期脱酸素電源オークション、系統情報・需給実績、気象予報関連データなど30種類以上にも及ぶ。分析しやすいCSVファイル形式で提供され、将来はAPIによるリアルタイムデータ提供も予定されている。
Sassor社は、AIを活用したアグリゲーションサービス「ENES」や電力情報サイト「グリッド研究所」の開発・提供を通じて培ってきた知見を活かし、本サービスを提供する。これにより、電力事業者はデータ収集・管理の手間を削減し、分析や戦略立案にリソースを集中できるようになるだろう。
電力データ販売所の詳細
データ種別 | 詳細 |
---|---|
需給調整市場 | 一次、二次(①、②)、三次(①、②)の市場結果など |
JEPX | スポット市場・時間前市場等の約定価格・入札・約定量など |
インバランス料金 | 最新のエリア別・時間帯別インバランス料金など |
容量市場・長期脱酸素電源オークション | 各オークションの入札結果など |
系統情報・需給実績 | 広域予備率・需給見通し、系統空き容量、エリア別電力使用実績など |
その他 | 気象予報関連データ(気温、日射量等)など |
電力市場データの種類について
電力データ販売所では、日本の電力市場に関する多様なデータを提供する。これらのデータは、電力事業者の事業戦略策定に不可欠な情報源となるのだ。
- 需給調整市場データ:需給バランス調整のための市場取引データ
- JEPXデータ:日本卸電力取引所(JEPX)における電力取引データ
- 系統情報:電力系統の運用状況に関するデータ
これらのデータは、電力市場の動向分析やリスク管理、事業計画策定などに活用できる。
電力データ販売所に関する考察
電力データ販売所の開設は、日本の電力市場におけるデータ活用の高度化に貢献するだろう。データの網羅性と分析の容易さは、電力事業者の効率性向上に繋がる。しかし、データの正確性とセキュリティ確保は重要な課題となる。
データの更新頻度や、APIによるリアルタイムデータ提供の早期実現が求められる。また、多様なユーザーニーズに対応するため、データのカスタマイズオプションや分析支援サービスの充実も必要だろう。
将来的には、他の電力関連データとの連携や、AIを活用した高度な分析機能の追加なども期待される。Sassor社の更なる技術革新とサービス拡充に期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「独自の電力市場データベースを「電力データ販売所」として提供開始 | 株式会社Sassorのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000028289.html, (参照 2025-05-15).