アルフレッサHD、2025-27年度中期経営計画を発表、TSCS強化で成長目指す

記事の要約

  • アルフレッサHDが2025-27年度の中期経営計画を策定
  • 2032年度までの長期ビジョン達成に向けた第2ステージ
  • 売上高3兆3300億円、営業利益435億円を目指す

アルフレッサHD、2025-27年度中期経営計画を発表

アルフレッサホールディングス株式会社は2025年5月15日、2025年4月1日から始まる3ヵ年の中期経営計画「25-27中期経営計画 Vision2032 Stage2 ~総合力で未来を切り拓く~」を策定したと発表した。これは、2023年に策定した2032年度までの長期ビジョン達成に向けた第2ステージとなる計画だ。

計画では、トータルサプライチェーンサービス(TSCS)の進化拡大をグループ経営方針の中心に据えている。製造から流通までの一気通貫体制を確立し、限定流通品の獲得やCDMO事業の拡大を目指すとしている。成長事業・新規事業への戦略的投資、基盤事業の競争力強化、コストコントロールの徹底なども重要な柱だ。

具体的な数値目標として、2027年度の売上高を3兆3300億円、営業利益を435億円、ROE(自己資本利益率)を7%水準に設定している。3年間の累計投資計画は1200億円規模で、株主還元についてもDOE(株主資本配当率)2.5%以上、累進配当を予定している。

さらに、サステナビリティ経営の推進にも力を入れる。地球環境保全、医薬品・サービス等の安定供給、地域医療への貢献など8つの重要課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

中期経営計画の概要

項目詳細
計画期間2025年4月1日~2027年3月31日
目標売上高(2027年度)3兆3,300億円
目標営業利益(2027年度)435億円
目標ROE(3年平均)7%水準
投資計画(3年間累計)1,200億円規模
株主還元DOE 2.5%以上、累進配当
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TSCSについて

TSCSとは、アルフレッサグループ全体で保有する様々な機能を有機的に一体活用することで、シームレスなサプライチェーンを確立することを指す。医薬品等の導入・開発、製造から、物流・販売、市販後調査までをグループ一体となって提供するモデルだ。

  • 製造から流通まで一気通貫
  • 限定流通品の獲得促進
  • 安定的なサプライチェーン運営

このTSCSモデルの確立により、医薬品供給の安定性向上と効率化が期待できる。

2025-27年度中期経営計画に関する考察

本計画は、長期ビジョン達成に向けた重要なステップであり、売上高・営業利益の増加目標は野心的だが、TSCSの強化や戦略的投資によって実現可能であると考える。ただし、薬価改定や物流費・人件費の高騰といった外部環境の変化への対応が課題となるだろう。

想定される問題としては、計画達成のための投資が予定通りに進まないこと、市場環境の変化による需要減退、想定外の経営リスクなどが挙げられる。これらのリスクへの対応策として、柔軟な計画修正、リスク管理体制の強化、市場調査の徹底などが重要となるだろう。

今後、再生医療関連事業や海外事業への更なる投資、デジタル技術を活用した業務効率化、人材育成の強化などが期待される。持続可能な成長を実現するためには、ESG経営の推進も不可欠であり、具体的な取り組みの進捗状況を注視していく必要がある。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「「25–27 中期経営計画 Vision2032 Stage2 ~総合力で未来を切り拓く~」策定のお知らせ | アルフレッサ ホールディングス株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000155184.html, (参照 2025-05-15).

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