
目次
記事の要約
- ゼロボードとPEZAが脱炭素化支援に関するMOUを締結
- フィリピン経済特区企業へのGHG排出量算定・可視化支援を実施
- GX人材育成やGreen SEZ創出も目指す
ゼロボードとPEZAの協業によるフィリピンの脱炭素化支援
株式会社ゼロボードは2025年5月15日、フィリピン経済区庁(PEZA)とフィリピンの経済特区における企業の脱炭素化支援に向けた協業覚書(MOU)を締結したことを発表した。このMOUは、PEZAに登録する輸出志向型企業に対し、GHG排出量の算定・可視化・削減支援を行うことを目的としているのだ。
特にScope 1~3の排出量を網羅し、CDPやSBT、ISSBなど国際基準に準拠したデータ管理を可能にするクラウドサービス「Zeroboard」を活用することで、脱炭素への具体的な一歩を支援する。今回の協業では、PEZA登録企業のGHG排出量の算定可視化支援、PEZA登録企業向けのGX人材育成プログラムの共同実施、「Green SEZ(グリーン経済特区)」認定スキームの共同構築、モデル工業団地の選定とパイロットプロジェクトの実施などが予定されている。
ゼロボードは、全世界で13,000社超に利用されているクラウドサービス「Zeroboard」を通じて、フィリピン市場での事業展開とGXソリューションパートナーのエコシステム形成を加速させる計画だ。PEZAとの協業を通じて、フィリピンのネットゼロ達成とグリーンサプライチェーン強化を支援するとともに、ASEANにおける脱炭素のリーディングモデル創出を目指すとしている。
協業内容とZeroboardの概要
項目 | 詳細 |
---|---|
協業内容 | PEZA登録企業のGHG排出量の算定可視化支援、GX人材育成プログラムの共同実施、「Green SEZ」認定スキームの共同構築、モデル工業団地の選定とパイロットプロジェクトの実施 |
Zeroboard | GHG排出量算定・開示・削減までを支援するクラウドサービス。Scope1~3排出量を網羅し、国際基準に準拠 |
対象企業 | PEZAに登録する輸出志向型企業 |
目標 | フィリピンのネットゼロ達成とグリーンサプライチェーン強化、ASEANにおける脱炭素のリーディングモデル創出 |
GHG排出量算定と国際基準
本MOUにおける重要な要素の一つに、国際基準への準拠がある。CDP、SBT、ISSBといった国際的な枠組みは、企業の環境情報開示や目標設定において重要な役割を果たしている。
- CDP:企業の環境情報開示を促進する非営利団体
- SBT:科学に基づいた目標設定を支援するイニシアチブ
- ISSB:国際サステナビリティ基準審議会
これらの基準に準拠することで、企業は信頼性の高い環境情報を提供し、投資家やステークホルダーからの信頼を得ることができるのだ。
ゼロボードとPEZA協業に関する考察
ゼロボードとPEZAの協業は、フィリピンの脱炭素化に大きく貢献する可能性を秘めている。フィリピンはASEAN諸国の中でも経済成長が著しく、同時に環境問題への対応も急務となっている。この協業によって、フィリピン企業の脱炭素化が促進され、持続可能な経済発展に繋がるだろう。
しかしながら、全てのPEZA登録企業が協業に積極的に参加するとは限らない。企業規模や業種によって、脱炭素化への取り組みの進捗度合いは異なる可能性がある。そのため、ゼロボードとPEZAは、企業の状況に応じた柔軟な支援体制を構築する必要があるだろう。
今後、本協業が成功するためには、PEZA登録企業への効果的な情報発信と、使いやすいサービスの提供が不可欠だ。また、フィリピン政府による政策支援も重要な要素となるだろう。ゼロボードとPEZAは、継続的な情報共有と連携強化を通じて、フィリピンの脱炭素化を推進していくことが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ゼロボード、フィリピン経済区庁(PEZA)と脱炭素支援に関するMOUを締結 | 株式会社ゼロボードのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000087068.html, (参照 2025-05-15).