
目次
記事の要約
- 新光商事LSIデザインセンターはCAN通信とアナログデータの同期収集を実現するロガーシステム「CANAD-0208」を開発した
- 最大72時間の長時間記録、CAN FD(CAN)×2、アナログ信号×8chの同期測定・記録が可能だ
- 2025年5月23日に発売予定である
新光商事LSIデザインセンター、「CANAD-0208」を2025年5月23日に発売
新光商事LSIデザインセンター株式会社は、CAN通信とアナログデータの同期収集を実現するロガーシステム「CANAD-0208」を2025年5月23日に発売する予定だ。これは、車載関連ソフト開発における反応時間測定の精度向上と、不具合原因分析の効率化を目的として開発された製品である。
従来、CAN FD(CAN)モニターとオシロスコープを別々に使用していたため、再現頻度の低い不具合の原因究明に多くの時間を要していた。しかし、「CANAD-0208」はCAN FDデータとアナログ電圧を同時に測定・記録できるため、長時間記録によるデータ分析が可能になり、開発効率の大幅な改善に繋がるだろう。
本製品は最大72時間の長時間記録に対応し、専用アプリによるデータ検索・表示機能も備えている。車載開発業界だけでなく、鉄道、航空宇宙、医療機器、エレベーターなど、CAN通信を利用する幅広い業界での活用が期待されるのだ。
さらに、CAN FD(CAN)×2チャンネルとアナログ信号×8チャンネルの同期測定・記録が可能で、高いアナログ信号サンプリングレートを実現している。コンパクトで低価格な点も魅力の一つだ。
「CANAD-0208」製品仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | CANAD-0208 |
機能 | CAN通信とアナログデータの同期収集 |
記録時間 | 最大72時間(SDカード容量による) |
CANチャンネル | CAN FD(CAN)×2 |
アナログチャンネル | アナログ信号×8ch |
サンプリングレート | 4chモード時:250KHz、8chモード時:125KHz |
ソフトウェア | 専用アプリ「ログビューワー」 |
発売日 | 2025年5月23日 |
販売元 | 新光商事LSIデザインセンター株式会社、新光商事株式会社 |
CAN通信について
CAN通信とは、Controller Area Networkの略で、車載システムなどで広く利用されている通信規格である。複数の電子制御ユニット(ECU)間の通信を制御し、リアルタイム性と信頼性を重視した設計となっている。
- リアルタイム性が高い
- ノイズに強い
- 複数のECU間でデータのやり取りが可能
CAN通信は、自動車業界だけでなく、近年は産業機器や医療機器など、様々な分野で採用されている。その信頼性と堅牢性から、安全性が求められるシステムに最適な通信規格と言えるのだ。
CANAD-0208に関する考察
CANAD-0208は、CAN通信とアナログデータの同時記録というニーズに応える画期的な製品であり、開発効率の向上に大きく貢献するだろう。長時間記録機能は、再現頻度の低い不具合の解析にも有効であり、開発期間の短縮やコスト削減に繋がる可能性がある。
しかし、今後の課題としては、専用アプリの使いやすさや、多様なCAN通信プロトコルへの対応などが挙げられる。また、より高精度の測定や、より多くのチャンネルに対応した上位機種の開発も期待されるだろう。さらに、クラウド連携機能の追加なども検討すべき点である。
将来的には、AIによるデータ分析機能の搭載や、自動レポート生成機能の追加なども考えられる。これにより、開発者はより高度なデータ分析を行い、より効率的に製品開発を進めることが可能になるだろう。新光商事LSIデザインセンターには、ユーザーニーズを的確に捉え、更なる機能拡張や改良を進めてほしい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「画期的なロガーシステム「CANAD-0208」 5月23日発売! | 新光商事株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000159836.html, (参照 2025-05-15).