
DDL(Data Definition Language)とは
DDL(Data Definition Language)は、データベースの構造を定義・操作するための言語です。データベース内にテーブルやインデックスなどのオブジェクトを作成、変更、削除する際に使用され、データベースの骨格を構築する役割を担います。DDLを理解することは、データベースを効率的に管理し、アプリケーションがデータを適切に利用するために不可欠です。
DDLは、SQL(Structured Query Language)の一部として提供されており、特定のデータベース管理システム(DBMS)に依存する場合があります。しかし、基本的な概念は共通しており、データベース設計者や開発者は、DDLを駆使してデータベースの構造を最適化し、データの整合性を維持する必要があります。データベースの設計段階から運用、保守に至るまで、DDLは重要な役割を果たします。
DDLの主な命令には、CREATE(作成)、ALTER(変更)、DROP(削除)などがあり、これらを組み合わせることで、データベースの構造を柔軟に制御できます。例えば、CREATE TABLE命令で新しいテーブルを定義し、ALTER TABLE命令で既存のテーブルにカラムを追加したり、データ型を変更したりできます。DROP TABLE命令は、不要になったテーブルをデータベースから削除するために使用されます。
DDLの主要な構文
「DDLの主要な構文」に関して、以下を解説していきます。
- CREATE文(オブジェクト作成)
- ALTER文(オブジェクト変更)
CREATE文(オブジェクト作成)
CREATE文は、データベース内に新しいオブジェクト(テーブル、インデックス、ビューなど)を作成するために使用されます。テーブルの作成では、カラム名、データ型、制約などを指定し、テーブルの構造を定義します。CREATE文を適切に使用することで、データベースの設計意図を明確にし、データの整合性を確保できます。
例えば、CREATE TABLE文を使用して顧客情報を格納するテーブルを作成する場合、顧客ID、氏名、住所、電話番号などのカラムを定義し、それぞれのデータ型(整数型、文字列型など)を指定します。また、主キー制約やNOT NULL制約などを設定することで、データの重複や欠損を防ぎ、データの品質を向上させることが可能です。CREATE文は、データベース設計の基礎となる重要な構文です。
オブジェクト | 構文 | 説明 |
---|---|---|
テーブル | CREATE TABLE | 新しいテーブルを定義します |
インデックス | CREATE INDEX | テーブルのインデックスを作成します |
ビュー | CREATE VIEW | 仮想テーブル(ビュー)を作成します |
データベース | CREATE DATABASE | 新しいデータベースを作成します |
ALTER文(オブジェクト変更)
ALTER文は、既存のデータベースオブジェクト(テーブル、インデックスなど)の構造を変更するために使用されます。テーブルに新しいカラムを追加したり、既存のカラムのデータ型を変更したり、制約を追加・削除したりすることが可能です。ALTER文を使用することで、データベースの構造を柔軟に変更し、変化するビジネス要件に対応できます。
例えば、ALTER TABLE文を使用して顧客テーブルに新しいカラム(メールアドレスなど)を追加したり、既存のカラムのデータ型をVARCHARからTEXTに変更したりできます。また、主キー制約や外部キー制約を追加・削除することで、テーブル間の関係性を変更したり、データの整合性を強化したりすることも可能です。ALTER文は、データベースの進化に合わせて構造を調整するために不可欠な構文です。
変更内容 | 構文 | 説明 |
---|---|---|
カラム追加 | ALTER TABLE ADD | テーブルに新しいカラムを追加します |
カラム変更 | ALTER TABLE MODIFY | カラムのデータ型を変更します |
制約追加 | ALTER TABLE ADD CONSTRAINT | テーブルに制約を追加します |
制約削除 | ALTER TABLE DROP CONSTRAINT | テーブルの制約を削除します |