
目次
記事の要約
- 日本ナレッジがAIを活用したテスト自動化ツールを開発
- 自然言語によるテスト指示や探索的テストの自動化が可能
- 2025年10月にβ版、2026年4月に正式版をリリース予定
日本ナレッジがAIを活用したテスト自動化ツールを開発
日本ナレッジ株式会社は、機械学習を活用した独自探索的テスト手法「FaRSeT-#」の自動実行も可能とする、独自のテスト自動化ツールを開発した。このツールは、高度化・複雑化するソフトウェア開発におけるQA活動を大きく支援し、顧客の品質向上に貢献することを目指している。
背景として、従来のテスト自動化支援における「初期導入や変更時のコスト」と「保守担当者の不足」という課題があった。そこで、AIを活用して仕様やテスト内容の分析、自動テストコードの実装を行い、低工数・高速での自動テスト作成・修正を目指しているのだ。
本ツールでは、AIに仕様書やWebページ情報を解析させることで、自然言語でのテスト指示を可能にする。複雑なプログラミングは不要で、自然言語で指示するだけで自動的にテストケースおよび自動テストコードが生成される。
AIを活用したテスト自動化ツールの主な機能
項目 | 詳細 |
---|---|
テスト指示 | 自然言語で指示可能 |
テストケース生成 | AIが自動生成 |
自動テストコード生成 | AIが自動生成 |
探索的テスト | FaRSeT-#を自動実行 |
探索的テスト「FaRSeT-#」について
「FaRSeT-#」は、日本ナレッジ独自の「柔軟」かつ「迅速」なテスト手法であり、「どの機能/品質特性を優先的に、探索的テストを行うか」を分析して効率化できるように発展させたものだ。主な特徴は以下の通りである。
- 仕様把握をAIが自動化
- 過去のテスト結果分析をAIが自動化
- 不具合情報分析をAIが自動化
本ツールでは、従来は人間が行っていた「仕様把握」「過去のテスト結果分析」「不具合情報分析」をAIが行い、重点的にテストすべき内容を自動生成・自動実行する。これにより、従来よりも高速な不具合発見・品質向上を実現可能にする。
AIを活用したテスト自動化ツールに関する考察
日本ナレッジが開発したAIを活用したテスト自動化ツールは、ソフトウェア開発におけるQA活動の効率化に大きく貢献する可能性がある。特に、自然言語によるテスト指示や探索的テストの自動化は、テスト担当者の負担を軽減し、より高度なテストに集中できる環境を提供するだろう。
今後の課題としては、AIの学習データの偏りによるテスト結果の偏りや、AIが生成したテストケースの妥当性の検証などが挙げられる。これらの課題に対しては、多様なデータセットを用いたAIの学習や、テスト結果のレビュープロセスの確立などが考えられるだろう。
将来的には、AIがテスト戦略の立案やテスト結果の分析まで行うことで、QA活動全体の自動化が実現することが期待される。また、開発プロセス全体でのAI活用が進むことで、より高品質なソフトウェアを迅速に開発できる環境が整備されることが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「独自探索的テスト手法「FaRSeT-#」も自動実行可能な、AIを活用した独自のテスト自動化ツールを開発 | 日本ナレッジ株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000039167.html, (参照 2025-04-29).