TP-Link M7200にSQLインジェクション脆弱性CVE-2025-29650、サプライヤー提供エミュレーターでのみ再現

記事の要約

  • CVE-2025-29650:TP-Link M7200にSQLインジェクションの脆弱性
  • ファームウェアバージョン1.0.7 Build 180127 Rel.55998nが対象
  • サプライヤー提供のエミュレーターでのみ再現可能と指摘あり

TP-Link M7200にSQLインジェクションの脆弱性CVE-2025-29650

TP-Link M7200 4G LTE Mobile Wi-Fiルーターのファームウェアバージョン1.0.7 Build 180127 Rel.55998nに、SQLインジェクションの脆弱性CVE-2025-29650が存在することが2025年4月16日に発表された。この脆弱性により、認証されていない攻撃者がユーザー名とパスワードフィールドを介して悪意のあるSQLステートメントを注入できる可能性がある。

ただし、この脆弱性はサプライヤーが提供するエミュレーターでのみ再現可能であり、機能テストを容易にするためにアクセス制御が意図的に存在しない環境でのみ発生するという指摘がある。このため、実際の使用環境におけるリスクは限定的であると考えられる。

Common Vulnerabilities and Exposures (CVE)は、情報セキュリティ上の脆弱性に対する識別子を付与し、脆弱性情報の公開と共有を促進するシステムだ。CVEレコードは、脆弱性に関する標準化された情報を提供し、セキュリティ専門家や開発者が脆弱性に対処するための基盤となる。

TP-Link M7200の脆弱性に関する情報

項目詳細
CVE IDCVE-2025-29650
対象製品TP-Link M7200 4G LTE Mobile Wi-Fi Router
対象ファームウェアバージョン1.0.7 Build 180127 Rel.55998n
脆弱性の種類SQL Injection
発表日2025年4月16日
更新日2025年4月23日
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SQLインジェクションについて

SQLインジェクションとは、アプリケーションのセキュリティ上の欠陥を悪用し、データベースに対して不正なSQLコマンドを注入する攻撃手法のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。

  • データベースの改ざんや情報漏洩
  • 認証回避や権限昇格
  • Webアプリケーションの脆弱性を悪用

SQLインジェクション攻撃を防ぐためには、入力値の検証やエスケープ処理、プリペアドステートメントの使用などが有効だ。開発者はこれらの対策を講じることで、SQLインジェクションのリスクを大幅に低減させることができる。

TP-Link M7200のCVE-2025-29650に関する考察

TP-Link M7200のファームウェアにSQLインジェクションの脆弱性が存在するという発表は、IoTデバイスのセキュリティにおける潜在的なリスクを改めて認識させるものだ。特に、ルーターのようなネットワーク機器は、家庭やオフィス内の様々なデバイスへの入り口となるため、そのセキュリティ対策は非常に重要である。

今回の脆弱性がサプライヤー提供のエミュレーターでのみ再現可能という点は、実際の運用環境におけるリスクを軽減する要素となるかもしれない。しかし、エミュレーターで再現可能な脆弱性が存在するということ自体が、開発プロセスにおけるセキュリティテストの不備を示唆している可能性もあるだろう。

今後は、TP-LinkをはじめとするIoTデバイスメーカーは、より厳格なセキュリティテストを実施し、脆弱性の早期発見と迅速な修正に取り組む必要がある。また、ユーザー自身も、ファームウェアのアップデートを定期的に行い、セキュリティリスクを最小限に抑えることが重要だ。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-29650」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29650, (参照 2025-04-29).

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