ユーラスエナジーがFIP制度を活用した国内初の風力発電所向けプロジェクトファイナンス契約に合意

記事の要約

  • ユーラスエナジーが国内初のFIP制度を活用した風力発電所向けプロジェクトファイナンス契約に合意
  • 「ユーラス伊達ウインドファーム」の卸売価格が電力市場連動へ
  • 再エネ電源の主力電源化と市場統合を目指す

国内初のFIP制度活用 風力発電所向けプロジェクトファイナンス契約に合意

株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、2025年4月30日に国内初となるFIP制度を活用した風力発電所向けの市場連動型収入に依拠したプロジェクトファイナンス契約に合意したことを発表した。対象となるのは、北海道伊達市で2011年11月から営業運転している「ユーラス伊達ウインドファーム」だ。

本契約は、株式会社三菱UFJ銀行をローンアレンジャーとし、三菱UFJ銀行、株式会社東邦銀行、株式会社北洋銀行、室蘭信用金庫が参加行となる金融機関との間で締結済の金銭消費貸借契約を変更するものだ。これにより、再生可能エネルギーの主力電源化と市場統合を目指す。

ユーラス伊達ウインドファームは、2024年3月からFIP制度へ切り替えを行い、株式会社ユーラスグリーンエナジーを通じて電力市場や需要家への電力販売を行っている。2025年5月1日からは、ユーラスグリーンエナジーへの卸売価格が電力市場連動となる予定だ。

ユーラス伊達ウインドファームにおけるFIP制度活用プロジェクトファイナンス契約の詳細

項目詳細
対象施設ユーラス伊達ウインドファーム
所在地北海道伊達市
営業運転開始2011年11月
FIP制度切替2024年3月
卸売価格市場連動開始予定2025年5月1日
ローンアレンジャー株式会社三菱UFJ銀行
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FIP(Feed-in Premium)制度について

FIP(Feed-in Premium)制度とは、電力市場での売電を前提とし、電力市場価格に応じたプレミアム(補助金)を交付することで再生可能エネルギーの導入を促進する制度のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。

  • 電力市場での売電を前提とする
  • 市場価格に応じてプレミアムを交付
  • 再エネ導入を促進する目的

従来のFIT(固定価格買取)制度とは異なり、市場価格と連動した収入が得られるため、再エネ事業者は市場動向を考慮した事業運営が求められる。FIP制度は、再エネの主力電源化に向けた重要な政策の一つである。

ユーラス伊達ウインドファームのFIP制度活用に関する考察

ユーラス伊達ウインドファームがFIP制度を活用したプロジェクトファイナンス契約に合意したことは、再エネ事業における新たな資金調達モデルの確立に繋がる点で評価できる。特に、市場連動型収入に依拠したファイナンスは、従来のFIT制度に比べてリスクが高いと考えられていたため、今回の合意は業界に新たな道を開くものとなるだろう。

今後、電力市場の価格変動リスクや、プレミアムの算定方法の透明性などが課題として挙げられる可能性がある。これらの課題に対しては、市場動向の分析能力の向上や、プレミアム算定に関する情報公開の徹底などが考えられる解決策となるだろう。

将来的には、FIP制度を活用した同様のプロジェクトが拡大し、再エネ電源の主力電源化が加速することが期待される。また、蓄電池などの導入により、電力供給の安定性を高めることが重要になるだろう。ユーラスエナジーホールディングスの今後の取り組みに注目したい。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「国内初となるFIP制度を活用した風力発電所向けの市場連動型収入に依拠したプロジェクトファイナンス契約の合意について | 株式会社ユーラスエナジーホールディングスのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000135262.html, (参照 2025-05-01).

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