目次
記事の要約
- WPScanがIcegram Express WordPressプラグインの脆弱性を発表
- バージョン5.7.50より前のプラグインに、管理者権限でのXSS攻撃の可能性
- CWE-79に分類されるクロスサイトスクリプティングの脆弱性
Icegram Express WordPressプラグイン5.7.50以前に管理者権限でのXSS脆弱性
WPScanは、Icegram Express WordPressプラグインの5.7.50より前のバージョンに、管理者権限を持つユーザーがクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を実行できる脆弱性(CVE-2025-0671)を発見し、2025年4月25日に発表した。この脆弱性は、マルチサイト環境などでunfiltered_html権限が無効になっている場合でも悪用される可能性がある。
この脆弱性は、テンプレート設定におけるサニタイズとエスケープ処理の不備に起因し、CWE-79(クロスサイトスクリプティング)として分類されている。攻撃に成功した場合、管理者権限を悪用してWebサイトの改ざんや不正なスクリプトの実行などが可能になる。
脆弱性の発見者はDmitrii Ignatyevで、WPScanがコーディネーターを務めた。この脆弱性に関する詳細は、WPScanの脆弱性データベースで確認できる。
Icegram Express WordPressプラグインの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-0671 |
対象製品 | Icegram Express WordPressプラグイン |
影響を受けるバージョン | 5.7.50より前のバージョン |
脆弱性タイプ | CWE-79 クロスサイトスクリプティング(XSS) |
発見者 | Dmitrii Ignatyev |
クロスサイトスクリプティング(XSS)について
クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webアプリケーションの脆弱性を利用して、悪意のあるスクリプトをWebサイトに埋め込み、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。
- Webサイトへのスクリプト埋め込み
- ユーザーのブラウザ上での実行
- Cookieの窃取やWebサイトの改ざん
XSS攻撃は、ユーザーがWebサイトを閲覧する際に、埋め込まれたスクリプトが実行されるため、ユーザーに気づかれにくいという特徴がある。対策としては、入力値のサニタイズやエスケープ処理、Content Security Policy(CSP)の設定などが挙げられる。
Icegram Express WordPressプラグインのXSS脆弱性に関する考察
Icegram Express WordPressプラグインのXSS脆弱性は、管理者権限を持つユーザーが悪用できるため、Webサイト全体に影響が及ぶ可能性がある点が懸念される。特に、マルチサイト環境では、unfiltered_html権限が無効になっている場合でも悪用される可能性があるため、注意が必要だ。
この問題に対しては、速やかにIcegram Express WordPressプラグインを最新バージョンにアップデートすることが最も有効な解決策となる。また、WAF(Web Application Firewall)の導入や、入力値の厳格な検証を行うことで、XSS攻撃のリスクを低減することができるだろう。
今後は、プラグイン開発者によるセキュリティ対策の強化とともに、ユーザー自身も常に最新のセキュリティ情報を把握し、適切な対策を講じることが重要になる。脆弱性情報の早期公開と迅速な対応が、Webサイトの安全性を維持するために不可欠だ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-0671」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-0671, (参照 2025-05-02).