目次
記事の要約
- Adobe Commerceにクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性
- サービス拒否状態を引き起こす可能性
- ユーザーの操作を必要とする攻撃
Adobe Commerceにクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性(CVE-2025-27189)
Adobe Systems Incorporatedは、Adobe Commerceの複数のバージョンにクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の脆弱性(CVE-2025-27189)が存在することを2025年4月8日に発表した。この脆弱性が悪用されると、サービス拒否(DoS)状態を引き起こす可能性がある。
影響を受けるのは、Adobe Commerceのバージョン2.4.7-p4、2.4.6-p9、2.4.5-p11、2.4.4-p12、2.4.8-beta2およびそれ以前のバージョンだ。攻撃者がログイン済みのユーザーを騙し、脆弱なアプリケーションに偽の要求を送信させることで、サービスの可用性を妨害する可能性がある。この脆弱性の悪用には、通常、悪意のあるリンクをクリックしたり、攻撃者が管理するWebサイトにアクセスしたりするなどのユーザーの操作が必要となる。
脆弱性の詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性 | クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) (CWE-352) |
影響を受ける製品 | Adobe Commerce |
影響を受けるバージョン | 2.4.7-p4, 2.4.6-p9, 2.4.5-p11, 2.4.4-p12, 2.4.8-beta2 およびそれ以前 |
CVSSスコア | 4.3 (MEDIUM) |
CVSSベクトル | CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:L |
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)について
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)とは、Webアプリケーションの脆弱性の一つで、攻撃者がユーザーの意図に反するリクエストを強制的に実行させる攻撃手法のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。
- ユーザーの認証情報を悪用
- 悪意のあるリクエストを送信
- 意図しない操作を実行させる
CSRF攻撃は、ユーザーがログインしているWebサイトに対して、攻撃者が用意した悪意のあるWebサイトやメール経由でリクエストを送信することで成立する。ユーザーが気付かないうちに、パスワードの変更や商品の購入などの操作が行われてしまう可能性がある。
Adobe CommerceのCSRF脆弱性に関する考察
Adobe CommerceにおけるCSRF脆弱性の存在は、ECサイト運営者にとって重大な懸念事項だ。サービス拒否攻撃は、ECサイトの可用性を損ない、ビジネスに直接的な損害を与える可能性がある。特に、中小規模のECサイトでは、セキュリティ対策が十分でない場合が多く、攻撃の標的になりやすいだろう。
この問題に対する解決策としては、Adobeが提供するセキュリティアップデートを迅速に適用することが最も重要だ。また、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入や、CSRF対策が施されたフレームワークの利用も有効な手段となるだろう。今後は、開発段階からセキュリティを考慮した設計(Security by Design)を徹底することが求められる。
さらに、ユーザー教育も重要であり、不審なリンクをクリックしない、信頼できないWebサイトにアクセスしないなどの注意を促す必要がある。Adobeは、脆弱性に関する情報を迅速に公開し、適切な対策を支援することで、ユーザーの安全性を確保することが期待される。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-27189」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-27189, (参照 2025-05-02).