SQLite 3.49.1リリース、CVE-2025-29088に対処しサービス拒否の脆弱性を修正

記事の要約

  • SQLite 3.49.0の脆弱性CVE-2025-29088が修正
  • sqlite3_db_config関数におけるDoS攻撃の可能性
  • 整数オーバーフロー対策として3.49.1がリリース

SQLite 3.49.1がリリース、CVE-2025-29088に対処

SQLiteの開発チームは、SQLite 3.49.0に存在した脆弱性CVE-2025-29088に対処するため、バージョン3.49.1をリリースした。この脆弱性は、C言語APIのsqlite3_db_config関数に対する特定の引数値が、サービス拒否(DoS)攻撃を引き起こす可能性があるというものだ。

具体的には、sz*nBig乗算が64ビット整数にキャストされないため、メモリ割り当てが不正確になることが原因である。この問題は整数オーバーフローまたはラップアラウンド(CWE-190)として特定されており、アプリケーションのクラッシュにつながる恐れがある。

SQLite 3.49.1では、この脆弱性に対する修正が施され、安定性が向上している。SQLiteを利用している開発者は、最新バージョンへのアップデートを推奨する。詳細はSQLiteの公式ウェブサイトやリリースログを参照してほしい。

SQLite 3.49.1の主な変更点

項目詳細
対象バージョンSQLite 3.49.0
修正内容sqlite3_db_config関数における整数オーバーフローの修正
脆弱性CVE-2025-29088
影響サービス拒否(DoS)攻撃によるアプリケーションのクラッシュ
対策SQLite 3.49.1へのアップデート
SQLite 3.49.1 リリースログ

整数オーバーフロー(CWE-190)について

整数オーバーフローとは、コンピュータプログラムにおいて、整数型の変数がその表現可能な最大値を超えた場合に発生する現象を指す。以下のような特徴がある。

  • 計算結果が予期せぬ値になる
  • プログラムの誤動作やクラッシュを引き起こす可能性
  • セキュリティ上の脆弱性につながる場合も

SQLite 3.49.0のCVE-2025-29088では、この整数オーバーフローが原因でメモリ割り当てが不正確になり、DoS攻撃を招く結果となった。適切な対策を講じることで、このような問題を回避することが重要だ。

SQLite 3.49.1に関する考察

SQLite 3.49.0におけるCVE-2025-29088の修正は、組み込みデータベースとしてのSQLiteの信頼性を維持する上で不可欠だ。特に、IoTデバイスやモバイルアプリケーションなど、リソースが限られた環境で使用されることが多いSQLiteにとって、DoS攻撃への対策は重要である。バージョン3.49.1のリリースは、迅速な対応として評価できるだろう。

今後の課題としては、整数オーバーフローのような潜在的な脆弱性を早期に発見し、対応するためのテスト体制の強化が挙げられる。また、開発者に対して、安全なコーディングプラクティスを啓蒙することも重要だろう。静的解析ツールやファジング技術の導入も有効な手段となり得る。

将来的には、SQLiteがよりセキュアで信頼性の高いデータベースとして、様々な分野で活用されることを期待する。自動アップデート機能の導入や、脆弱性情報の迅速な公開など、ユーザーが安心して利用できる環境整備が望まれる。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-29088」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29088, (参照 2025-05-02).

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