目次
記事の要約
- XWikiプラットフォームの脆弱性CVE-2025-32783が公開された
- バージョン5.0から16.7.1で、Message Stream有効かつ閉鎖型Wikiの設定下で発生
- 未登録ユーザーが、サブWikiの公開メッセージを閲覧可能になる脆弱性
XWikiプラットフォームの脆弱性情報公開
GitHubは2025年4月16日、XWikiプラットフォームにおけるセキュリティ上の脆弱性CVE-2025-32783に関する情報を公開した。この脆弱性は、Message Streamが有効で、かつWikiが閉鎖型として設定されている場合に発生するのだ。
具体的には、バージョン5.0から16.7.1において、サブWikiで「全員」宛に送信されたメッセージが、メインWikiの訪問者にもダッシュボードを通じて表示されてしまうという問題だ。これは、管理者権限で「未登録ユーザーがページを閲覧するのを防ぐ」設定が有効であっても発生する。
XWiki 16.8.0RC1以降ではMessage Streamは非推奨となり、メンテナンスも行われなくなったため、この脆弱性はパッチ適用されない。そのため、Message Streamを無効にしておくことが推奨されているのだ。
脆弱性詳細と対応策
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性識別子 | CVE-2025-32783 |
公開日 | 2025年4月16日 |
更新日 | 2025年4月16日 |
影響を受けるバージョン | 5.0以上、16.7.1以下 |
脆弱性の種類 | CWE-668: Exposure of Resource to Wrong Sphere |
CVSSスコア | 4.7 (MEDIUM) |
ベンダ | xwiki |
製品 | xwiki-platform |
参考情報(GitHub) | GitHubアドバイザリ |
参考情報(Jira) | Jiraチケット |
Message Streamについて
Message Streamは、XWikiプラットフォームにおけるソーシャル機能の一つである。ユーザー間のメッセージの送受信を可能にする機能だ。
- ユーザー間のコミュニケーション促進
- Wiki内での情報共有
- ダッシュボードへの通知表示
しかし、今回の脆弱性によりセキュリティリスクが明らかになったため、XWiki 16.8.0RC1以降では非推奨となっている。
CVE-2025-32783に関する考察
今回の脆弱性は、Message Streamという非推奨機能に起因するものであり、パッチ適用は行われない。これは、開発リソースの有効活用という観点からは合理的と言えるだろう。しかし、古いバージョンのXWikiを使用しているユーザーは、Message Streamを無効化するか、XWikiを最新バージョンにアップデートする必要がある。
今後、同様の脆弱性が他の機能においても発見される可能性がある。そのため、XWiki開発チームは、セキュリティ監査を定期的に実施し、脆弱性の早期発見と対応に努めるべきだ。また、ユーザーに対しても、セキュリティアップデートの適用や、非推奨機能の使用を避けるよう周知徹底する必要があるだろう。
さらに、Message Streamのような非推奨機能の代替となる、より安全で効率的なコミュニケーション機能の開発も期待される。ユーザーエクスペリエンスの向上とセキュリティの両立が、今後の課題となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-32783」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-32783, (参照 2025-05-02).