
目次
記事の要約
- MIRAI-LABOとあいおいニッセイ同和損保が資本業務提携
- 中古EVバッテリーの二次流通促進を目指す
- 診断・再生、販売、利用促進で協業
MIRAI-LABOとあいおいニッセイ同和損保の資本業務提携
MIRAI-LABO株式会社とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、2025年5月1日に資本業務提携契約を締結したことを発表した。この提携は、中古EVバッテリーの二次流通促進を目的としているのだ。
両社は、中古EVバッテリーの診断・再生、販売、利用促進の各フェーズにおいて協業する。具体的には、あいおいニッセイ同和損保が全損EVバッテリーをミライラボに供給し、ミライラボが再生バッテリーを製造、販売する。また、あいおいニッセイ同和損保は再生バッテリーの保証保険も提供する予定だ。
さらに、両社は効率的なバッテリー診断に向けた研究開発や、カーボンクレジットの創出も検討している。これらの取り組みを通じて、中古EVバッテリーの有効活用と環境負荷軽減を目指しているのだ。
あいおいニッセイ同和損保は、2025年4月30日にミライラボへの出資を完了している。この出資は、第三者割当増資による株式取得の形で行われたのだ。
資本業務提携の内容
フェーズ | 取り組み | 検討中の内容 |
---|---|---|
診断・再生 | 全損EVバッテリーの二次流通(25年5月実証開始) | ・あいおいニッセイ同和損保のEVを対象とした自動車保険契約において、全損となった車両のバッテリーをミライラボに供給 ・モジュール(組電池)単位で破損および劣化度等を診断し、モジュールを組み替えることで再生バッテリーを製造 |
販売 | 再生バッテリーを活用した製品を中心としたミライラボ製品の販売 | ・あいおいニッセイ同和損保の取引先や連携協定締結済の地方公共団体へ、再生バッテリーを組み込んだミライラボ再エネソリューションを中心としたミライラボ製品を販売 |
利用促進 | 再生バッテリーの保証保険の組成 | ・ミライラボによって診断・再生されたバッテリーを対象とした保証保険をあいおいニッセイ同和損保が組成・引受 |
その他 | 効率的なバッテリー診断に向けたR&D(25年5月研究開始) カーボンクレジットの創出 | ・あいおいニッセイ同和損保がテレマティクス技術で取得する「事故発生時の衝撃度」とミライラボの診断によるバッテリー破損結果データを突合し、衝撃度とバッテリー破損状態の相関性を検証 ・検証結果を活用し、事故車バッテリー診断の効率化を目指す ・中古バッテリーを活用した再生バッテリーの製造により、新品バッテリーを製造した場合と比較して削減されたCO2排出量からカーボンクレジットを創出 |
中古EVバッテリーの二次流通促進
本提携における重要な技術的側面は、中古EVバッテリーの診断・再生技術である。ミライラボは、この分野で先進的な技術と知的財産を保有しているのだ。
- バッテリーの劣化診断技術
- モジュールの組換えによる再生技術
- 再生バッテリーの品質保証技術
これらの技術により、廃棄されるEVバッテリーを再生し、二次流通させることが可能になる。これは、資源の有効活用と環境負荷軽減に大きく貢献するだろう。
資本業務提携に関する考察
本提携は、中古EVバッテリーの有効活用という社会課題への取り組みにおいて、両社の強みを活かした戦略的な連携と言える。ミライラボの先進的な再生技術と、あいおいニッセイ同和損保の保険事業やビッグデータ分析ノウハウの組み合わせは、シナジー効果を生み出すだろう。
しかし、再生バッテリーの市場浸透には、価格競争力や信頼性の確保が課題となる可能性がある。また、再生バッテリーの保証体制の構築や、リサイクルシステムとの連携も重要となるだろう。
今後、両社は再生バッテリーの品質向上、コスト削減、市場拡大に向けた取り組みを強化していく必要がある。さらに、再生バッテリーの利用促進に向けた啓発活動や、関連法規への対応も重要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「中古EVバッテリーの二次流通促進に向け、 MIRAI-LABOとあいおいニッセイ同和損保が資本業務提携契約を締結 | MIRAI-LABO株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000034036.html, (参照 2025-05-02).