
目次
記事の要約
- STマイクロエレクトロニクスが車載用NFCリーダライタIC「ST25R500」「ST25R501」を発表
- デジタルキーと車内ワイヤレス充電に対応、検出距離を最大70%拡大
- 小型で低消費電力、AEC-Q100とNFCフォーラムCR13に準拠
STマイクロエレクトロニクス、車載用NFCリーダライタIC「ST25R500」「ST25R501」を発表
STマイクロエレクトロニクスは2025年5月1日、新しい車載用NFCリーダライタIC「ST25R500」および「ST25R501」を発表した。これらの製品は、デジタルキーとセンターコンソール機器向けのCar Connectivity Consortium(CCC)とWireless Power Consortiumの規格に準拠しているのだ。
ST25R500とST25R501は、2Wのピーク出力と高い受信感度を備え、カード検出距離を最大70%拡大できる。4 x 4mmのQFNパッケージのST25R501は、基板への実装面積が36%小さく、コンパクトな設計を実現している。
両製品は、自動車へのアクセス/起動システム、センターコンソールのQi充電器でのNFCカード保護、携帯電話のペアリング、データ転送などに使用できる。ST25R501はスペースに制約のある機器向けに最適化され、ST25R500は連続出力が大きいためキーフォブ充電などに適しているのだ。
ST25R500は現在量産中で、QFNパッケージ(5 x 5 mm)で提供される。1万個購入時の単価は約2.14ドルである。ST25R501は2025年第3四半期に、超小型の車載グレードQFNパッケージ(4 x 4mm)で提供される予定だ。
ST25R500/ST25R501の製品仕様
製品名 | パッケージサイズ | ピーク出力 | 発売時期 | 単価(1万個) |
---|---|---|---|---|
ST25R500 | 5 x 5 mm QFN | 2W | 量産中 | 約2.14ドル |
ST25R501 | 4 x 4 mm QFN | 2W | 2025年第3四半期 | 約1.93ドル |
NFCリーダライタICについて
NFCリーダライタICは、近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)を利用して、非接触でデータの読み書きを行うICだ。近年では、デジタルキーやモバイル決済、アクセス制御など、様々な分野で活用されている。
- 非接触データ通信を実現
- デジタルキーやモバイル決済などに利用
- セキュリティ機能も搭載されることが多い
ST25R500/ST25R501は、車載環境における厳しい条件下でも安定した動作を実現するために、高い信頼性と耐久性を備えているのだ。
ST25R500/ST25R501に関する考察
ST25R500/ST25R501は、小型で低消費電力でありながら、高い性能と信頼性を両立した優れた製品だと言える。車載システムの高度化に伴い、NFC技術の需要はますます高まっており、これらの製品は市場において大きな役割を果たすだろう。
しかし、今後、より高度なセキュリティ対策や、多様なNFCプロトコルのサポートが求められる可能性がある。また、車載システムの複雑化に伴い、ICの機能統合やソフトウェア開発の効率化も重要な課題となるだろう。
将来的には、より低消費電力化、高性能化、そして多機能化が期待される。さらに、AI技術との連携による高度なセキュリティ機能や、ユーザーインターフェースの向上も重要なポイントとなるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「STマイクロエレクトロニクス、高性能ST25R製品ポートフォリオを拡充するデジタル・キー機器向け次世代車載用NFCリーダライタICを発表 | STマイクロエレクトロニクスのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001454.000001337.html, (参照 2025-05-02).