
目次
記事の要約
- NABLA MobilityがシリーズAラウンドで約4億円を調達
- NEDOのGX事業に採択され、最大4億円の助成を受ける予定
- 航空運航最適化ソフトウェア「Weave」の開発強化などに資金を充当
NABLA Mobilityの資金調達とNEDO事業採択
株式会社NABLA Mobilityは2025年5月1日、シリーズAラウンドで約4億円の資金調達を実施したと発表した。既存投資家に加え、環境エネルギー投資、山口キャピタル、横浜キャピタルが新たに投資に参加したのだ。
今回の調達により、2021年4月の創業からのエクイティによる累計資本調達額は約8億円となった。調達資金は、航空運航最適化ソフトウェア「Weave」の開発強化、運航ネットワーク最適化ソリューション、そして人材採用に充当される予定である。
同社は、データ解析やAI/MLを活用し、航空会社の運航最適化を支援する製品を開発・提供している。NEDOのGX事業への採択により、複数の航空機が形成するネットワーク全体の最適化を提案する新製品の開発も開始する予定だ。
この新製品開発には、NEDOから最大4億円の助成金が提供される予定である。同社はAI/ML技術を用いて燃料消費量削減に貢献し、航空業界の脱炭素化をサポートしていくとしている。
資金調達概要とNEDO GX事業
項目 | 詳細 |
---|---|
調達額 | 約4億円 |
調達ラウンド | シリーズA |
主要投資家 | インキュベイトファンド、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、環境エネルギー投資、山口キャピタル、横浜キャピタル |
資金用途 | 「Weave」開発強化、運航ネットワーク最適化ソリューション開発、人材採用 |
NEDO助成金 | 最大4億円 |
NEDO事業名 | GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業 |
NEDO事業フェーズ | STS(Seed-stage Technology-based Startups)フェーズ |
AI/MLによる航空運航最適化
NABLA Mobilityは、AI/ML技術を用いて航空機の運航最適化を支援するソフトウェア「Weave」を提供している。このソフトウェアは、乱気流、航空交通流、到着予定時刻などの様々な要因を考慮し、最適な運航経路を提案する。
- AIによる予測精度の向上
- リアルタイムでの運航状況把握
- 燃料消費量削減によるCO2排出量削減
従来の手作業や専門家による判断に頼っていた運航管理を、AI/ML技術によって効率化し、安全で快適な飛行を実現することを目指しているのだ。
NABLA Mobilityの事業展開に関する考察
NABLA Mobilityの今回の資金調達とNEDO事業採択は、同社の技術力と事業の可能性の高さを示すものだ。航空業界の脱炭素化という大きな課題に対し、AI/ML技術を用いた革新的なソリューションを提供することで、大きな成長が期待できる。
しかしながら、AI/ML技術の導入には、データの精度やセキュリティ対策といった課題も存在する。また、航空業界特有の規制や安全基準への対応も必要となるだろう。これらの課題をクリアしていくことが、今後の事業展開における重要なポイントとなる。
今後、より高度な予測技術や、多様な航空機のネットワークに対応できる機能の開発が求められるだろう。さらに、国際的な展開や他企業との連携も視野に入れ、航空業界全体の脱炭素化に貢献していくことが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「NABLA Mobility、シリーズAラウンドで約4億円の資金調達を実施。併せて、NEDOがGX分野のディープテック・スタートアップを支援する「GX事業」に採択 | 株式会社NABLA Mobilityのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000095656.html, (参照 2025-05-02).