目次
記事の要約
- Oracle Java SE、Oracle GraalVM for JDK、Oracle GraalVM Enterprise Editionにおける脆弱性CVE-2025-30698が公開された
- 影響を受けるバージョンはOracle Java SE: 8u441, 8u441-perf, 11.0.26, 17.0.14, 21.0.6, 24など複数
- ネットワークアクセスを持つ認証されていない攻撃者がデータへの不正アクセスやサービス拒否攻撃を引き起こす可能性がある
Oracle Java SE等の脆弱性情報公開
Oracleは2025年4月15日、Oracle Java SE、Oracle GraalVM for JDK、Oracle GraalVM Enterprise Editionにおける脆弱性CVE-2025-30698に関する情報を公開した。この脆弱性は、ネットワークアクセスを持つ認証されていない攻撃者によって悪用される可能性があるのだ。
影響を受けるのはOracle Java SEの8u441、8u441-perf、11.0.26、17.0.14、21.0.6、24、Oracle GraalVM for JDKの17.0.14、21.0.6、24、Oracle GraalVM Enterprise Editionの20.3.17と21.3.13など、複数のバージョンである。攻撃が成功すると、データへの不正な更新、挿入、削除、一部データへの不正な読み取り、部分的なサービス拒否(部分的なDoS)が発生する可能性がある。
なお、この脆弱性は、信頼できないコード(インターネットから取得したコードなど)をロードして実行するJavaデプロイメント(通常は、サンドボックス化されたJava Web Startアプリケーションまたはサンドボックス化されたJavaアプレットを実行するクライアント)に適用される。信頼できるコードのみをロードして実行するJavaデプロイメント(通常はサーバー)には適用されない点が重要だ。
影響を受けるOracle製品とバージョン
製品名 | バージョン |
---|---|
Oracle Java SE | 8u441, 8u441-perf, 11.0.26, 17.0.14, 21.0.6, 24 |
Oracle GraalVM for JDK | 17.0.14, 21.0.6, 24 |
Oracle GraalVM Enterprise Edition | 20.3.17, 21.3.13 |
CVE-2025-30698の詳細と対策
CVE-2025-30698は、不適切なアクセス制御(CWE-284)に起因する脆弱性である。攻撃者は、ネットワーク経由で複数のプロトコルを使用して、影響を受けるシステムにアクセスし、機密データへのアクセス、データの改ざん、サービス拒否攻撃を実行できる可能性がある。
- 最新のJavaアップデートを適用する
- 信頼できないコードの実行を避ける
- アクセス制御を強化する
Oracleは、この脆弱性を修正したアップデートを提供しているため、速やかに適用することが重要だ。
CVE-2025-30698に関する考察
この脆弱性は、Javaを利用する多くのシステムに影響を与える可能性があるため、迅速な対応が求められる。特に、インターネットからのコードを実行するクライアントアプリケーションは、高いリスクにさらされていると言えるだろう。対策としては、Oracleが提供するパッチを速やかに適用し、セキュリティ対策を強化することが不可欠だ。
今後、同様の脆弱性が発見される可能性も否定できない。そのため、定期的なセキュリティアップデートの実施や、セキュリティ監査の実施など、継続的なセキュリティ対策が重要となる。開発者は、信頼できるコードのみを実行する設計にするなど、脆弱性対策を徹底する必要があるだろう。
さらに、この脆弱性の発見は、セキュリティ対策の重要性を改めて認識させるものだ。企業は、セキュリティ対策への投資を継続し、最新の脅威に対応できる体制を構築していく必要がある。ユーザーも、セキュリティ意識を高め、安全なインターネット利用を心がけることが重要である。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-30698」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-30698, (参照 2025-05-04).