目次
記事の要約
- FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7をリリース
- 解析レポート出力形式にYAMLとXMLを追加
- Web API機能を追加し、サードパーティ連携を強化
FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7リリース
株式会社FFRIセキュリティは、2025年5月2日にマルウェア自動解析ツール「FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7」をリリースした。本バージョンでは、解析レポートの出力形式の追加、Web APIの追加、prescan機能の追加など、ユーザビリティ向上と活用の幅を広げる機能強化が図られているのだ。
従来、解析レポートはHTML形式のみだったが、Version 1.7ではXML形式とYAML形式が追加された。XML形式はHTML形式と同等の情報を提供し、YAML形式は解析結果の概要を出力する。これにより、ユーザーは解析結果を様々な用途に合わせて利用できるようになったのだ。
さらに、サードパーティアプリケーションとの連携を容易にするため、HTTPベースのWeb APIが追加された。マルウェア解析、解析ステータス及び結果の取得・削除、解析レポートの取得といった基本機能を、連携元のアプリケーションから利用できるようになったのだ。
また、クローラーで検体ファイルを解析する前に、ホスト側で静的解析エンジンによるスキャンを実施するprescan機能も追加された。これにより、より汎用性高く製品を活用できるようになっているのだ。
FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7の新機能
機能 | 詳細 |
---|---|
解析レポート出力形式 | YAML形式、XML形式を追加 |
レポート出力設定 | レポートの出力を制御する設定項目を追加 |
Web API | 検体解析、ステータス取得、レポート取得などの機能を提供 |
prescan機能 | 静的解析エンジンによる事前スキャン機能を追加 |
動作OS追加 | ゲストOS(クローラー)にWindows 11 x64 24H2 日本語版を追加 |
Web API機能について
Web APIの追加は、FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7における重要な機能強化だ。このAPIはHTTPベースで提供され、様々なシステムとの連携を容易にする。
- 既存システムとのシームレスな連携
- 自動化されたマルウェア解析ワークフロー構築
- セキュリティインシデント対応の迅速化
これにより、セキュリティ対策の効率化と高度化に大きく貢献するだろう。
FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7に関する考察
FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7は、レポート出力形式の追加やWeb APIの追加など、ユーザーの利便性を向上させる多くの改善がなされている点が評価できる。特にWeb APIの追加は、自動化されたセキュリティシステム構築を促進し、迅速なインシデント対応に繋がるだろう。
しかし、Web APIの利用には、適切なセキュリティ対策が不可欠だ。不正アクセスやデータ漏洩のリスクを軽減するため、APIキーの適切な管理やアクセス制御の徹底が必要となるだろう。また、APIの仕様変更による既存システムへの影響も考慮する必要がある。
今後は、より高度なマルウェア解析機能の追加や、多様なOSへの対応、クラウド環境との連携強化などが期待される。さらに、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、継続的な改善を図ることが重要だ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「マルウェア自動解析ツール「FFRI yarai analyzer Professional Version 1.7」をリリース | 株式会社FFRIセキュリティのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000070844.html, (参照 2025-05-03).