凝集度 とは
凝集度とは、ソフトウェア設計におけるモジュール内の要素がどれだけ関連しているかを示す指標です。高い凝集度は、モジュールが単一の目的を達成するために密接に関連する要素で構成されていることを意味します。凝集度が高いほど、モジュールの独立性が高まり、保守性や再利用性が向上すると言えるでしょう。
凝集度は、ソフトウェアの品質を評価する上で重要な要素の一つです。凝集度が高い設計は、変更が局所化されやすく、他のモジュールへの影響を最小限に抑えることが可能です。そのため、凝集度を高めることは、ソフトウェア開発における重要な目標となります。凝集度を意識した設計を行うことで、より堅牢で柔軟なシステムを構築できます。
凝集度を理解することは、効果的なソフトウェア設計を行う上で不可欠です。凝集度には様々なレベルがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。適切な凝集度を選択し、設計に適用することで、ソフトウェアの品質を向上させることが可能です。凝集度の概念を深く理解し、実践に活かすことが重要になります。
凝集度の種類と評価
「凝集度の種類と評価」に関して、以下を解説していきます。
- 凝集度の種類（レベル）
- 凝集度の評価方法
凝集度の種類（レベル）
凝集度には、いくつかの異なるレベルが存在し、それぞれ特徴が異なります。凝集度のレベルを理解することで、設計の意図を明確にし、より適切なモジュール分割を行うことが可能です。各レベルの特徴を把握し、状況に応じて使い分けることが重要になります。
凝集度のレベルは、一般的に機能的凝集、逐次的凝集、連絡的凝集、手続き的凝集、時間的凝集、論理的凝集、暗号的凝集の7つに分類されます。機能的凝集が最も高く、暗号的凝集が最も低いとされています。高い凝集度を目指すことが理想ですが、状況によっては低い凝集度が適切な場合もあります。
| レベル | 特徴 | 具体例 | メリット |
|---|---|---|---|
| 機能的 | 単一の機能 | 数学関数の計算 | 保守性向上 |
| 逐次的 | 順番に実行 | データ処理パイプライン | 処理効率化 |
| 連絡的 | 同じデータ | データベースアクセス | データ一貫性 |
| 手続き的 | 特定の順序 | 帳票出力処理 | 処理順序保証 |
| 時間的 | 同時期に実行 | 初期化処理 | 初期化漏れ防止 |
凝集度の評価方法
凝集度を評価する方法はいくつか存在し、設計の段階やコードレビューなど、様々な場面で活用できます。凝集度を定量的に評価することは難しいですが、定性的な評価を行うことで、設計の改善点を見つけることが可能です。評価方法を理解し、適切に活用することが重要になります。
凝集度の評価は、モジュール内の要素間の関連性を分析することによって行われます。要素間の関連性が高く、単一の目的を達成するために協力している場合、凝集度は高いと評価されます。逆に、関連性が低く、様々な目的の要素が混在している場合、凝集度は低いと評価されるでしょう。