
FAT12とは
FAT12は、ファイルアロケーションテーブル(File Allocation Table)の12ビット版を指します。主にフロッピーディスクで使用されていたファイルシステムであり、MS-DOSや初期のWindowsで広く採用されていました。FAT12は、比較的小さな記憶容量のメディアに適しており、シンプルな構造が特徴です。
FAT12のファイルシステムは、ディスク上のデータの配置や管理を行うための仕組みです。ファイルやディレクトリの情報を記録し、オペレーティングシステムが効率的にデータにアクセスできるようにします。FAT12は、そのシンプルさから、組み込みシステムなどでも利用されることがあります。
FAT12の最大ボリュームサイズは、一般的に32MBまでとされています。これは、FAT12が使用するクラスタ番号の範囲に制限があるためです。現代のファイルシステムと比較すると容量は小さいですが、当時のフロッピーディスクの容量を考えると十分なものでした。
FAT12の構造と特徴
「FAT12の構造と特徴」に関して、以下を解説していきます。
- FAT12のブートセクタ
- FAT12のデータ領域
FAT12のブートセクタ
FAT12のブートセクタは、ディスクの先頭に位置し、ファイルシステムの重要な情報が格納されています。オペレーティングシステムがディスクを起動する際に、このブートセクタを読み込み、ファイルシステムの種類や構造を認識します。
ブートセクタには、ボリュームラベルやディスクのサイズ、FATの開始位置などの情報が含まれています。これらの情報は、ファイルシステムを正しく動作させるために不可欠です。ブートセクタが破損すると、ディスクにアクセスできなくなる可能性があります。
項目 | 内容 | サイズ |
---|---|---|
BS_OEMName | OEM識別子 | 8バイト |
BPB_BytsPerSec | セクタサイズ | 2バイト |
BPB_SecPerClus | クラスタサイズ | 1バイト |
BPB_RsvdSecCnt | 予約セクタ数 | 2バイト |
BPB_NumFATs | FAT数 | 1バイト |
BPB_RootEntCnt | ルートエントリ数 | 2バイト |
FAT12のデータ領域
FAT12のデータ領域は、実際にファイルやディレクトリのデータが格納される領域です。この領域は、クラスタと呼ばれる固定長のブロックに分割されており、各ファイルは一つ以上のクラスタを使用します。データ領域の効率的な管理が、ファイルシステムの性能に大きく影響します。
FAT12では、ファイルが複数のクラスタにまたがって格納される場合、FAT(ファイルアロケーションテーブル)を使用して、それらのクラスタの連鎖を管理します。FATは、各クラスタがどのクラスタに続くかを示す情報を保持しており、ファイルの断片化を解消するために重要な役割を果たします。
項目 | 内容 | 役割 |
---|---|---|
クラスタ | データの格納単位 | ファイルの実体を保存 |
FAT | クラスタの連鎖情報 | ファイルの配置を管理 |
ルートディレクトリ | ファイルとディレクトリの情報 | ファイルへのアクセスを円滑化 |
サブディレクトリ | 階層構造の実現 | ファイルの整理と分類 |