CSMA-CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

CSMA-CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

CSMA-CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)とは

CSMA-CDは、ローカルエリアネットワークにおけるデータ送信制御方式の一種です。ネットワークに接続された複数の端末が、同じ伝送路を共有する際に発生する衝突を検出し、効率的なデータ送信を実現します。この技術は、初期のイーサネット規格で広く採用され、ネットワークの安定性と効率性を高める上で重要な役割を果たしました。

CSMA-CDの基本的な仕組みは、送信前に伝送路が空いているかを確認し、空いていればデータを送信するというものです。しかし、複数の端末がほぼ同時に送信を開始した場合、データが衝突する可能性があります。CSMA-CDでは、衝突を検出すると、送信を中断し、ランダムな時間待機後に再送を試みます。

CSMA-CDは、ネットワークの規模が小さく、トラフィックが比較的少ない環境において、その効果を発揮します。しかし、ネットワークの規模が大きくなり、トラフィックが増加すると、衝突の発生頻度が高まり、ネットワーク全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。そのため、より高度な衝突回避技術や、全二重通信が可能なスイッチングハブの導入が検討されるようになりました。

CSMA-CDの仕組みと課題

「CSMA-CDの仕組みと課題」に関して、以下を解説していきます。

  • CSMA-CDの動作原理
  • CSMA-CDの課題と限界

CSMA-CDの動作原理

CSMA-CDは、搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式と呼ばれるネットワークプロトコルです。送信前に回線が空いているかを確認し、空いていれば送信を開始しますが、衝突が発生した場合はそれを検出し、再送を行います。この一連の動作によって、ネットワークの効率的な利用を目指します。

具体的な動作としては、まず端末は送信前に回線が使用中かどうかを監視します。回線が空いていれば、データを送信し始めますが、送信中も衝突が発生していないかを監視し続けます。もし衝突を検出した場合、端末は直ちに送信を中止し、ジャム信号を送出して他の端末にも衝突を知らせます。

段階動作詳細
1 搬送波感知回線監視送信前に回線が空いているか確認します
2 データ送信送信開始回線が空いていればデータ送信を開始します
3 衝突検出衝突監視送信中に衝突が発生していないか監視します
4 ジャム信号送信衝突通知衝突を検出した場合ジャム信号を送出します

CSMA-CDの課題と限界

CSMA-CDは、初期のイーサネットで広く利用された効率的なプロトコルですが、いくつかの課題と限界が存在します。ネットワークの規模が大きくなるにつれて、衝突の発生頻度が増加し、ネットワーク全体のパフォーマンスが低下する点が大きな課題です。また、最小フレーム長の制約や、全二重通信への対応の難しさも限界として挙げられます。

衝突ドメインが大きくなると、信号がネットワーク全体を伝搬するのに時間がかかり、衝突の検出が遅れる可能性が高まります。その結果、無駄なデータ送信が増加し、ネットワークの効率が低下します。さらに、CSMA-CDは半二重通信を前提としているため、全二重通信が可能なスイッチングハブ環境では、そのメリットを十分に活かすことができません。

課題詳細対策
衝突頻度増加ネットワーク規模拡大で衝突が増加しますネットワーク分割やスイッチングハブ導入を検討します
最小フレーム長短いフレームは衝突検出が困難になりますフレーム長を一定以上に保つ必要があります
全二重非対応全二重通信のメリットを活かせませんスイッチングハブ環境では全二重通信を推奨します
伝送遅延影響伝送遅延が大きいと効率が低下しますネットワーク設計を見直す必要があります

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