
Going Concern(ゴーイングコンサーン)とは
Going Concern(ゴーイングコンサーン)とは、企業会計において、企業が将来にわたって事業を継続していくという前提のことです。この前提があるからこそ、取得原価による資産評価や、減価償却といった会計処理が正当化されます。企業が事業を継続するという信頼があってこそ、財務諸表が意味を持つと言えるでしょう。
ゴーイングコンサーンの前提は、企業の財務諸表を作成する上で非常に重要となる考え方です。投資家や債権者などの利害関係者は、企業の財務諸表を基に投資判断や融資判断を行います。企業が将来も存続するという前提が崩れると、財務諸表の信頼性が損なわれ、適切な判断ができなくなる可能性があります。
もし企業にゴーイングコンサーンの前提に疑義が生じた場合、監査報告書にその旨が記載されます。ゴーイングコンサーン注記が付された場合、企業の継続的な事業運営に重大な不確実性が存在することを示唆します。投資家や債権者は、この注記を注意深く検討し、より慎重な判断をすることが求められます。
ゴーイングコンサーンに関する注記
「ゴーイングコンサーンに関する注記」に関して、以下を解説していきます。
- 注記が必要となる状況
- 注記による影響
注記が必要となる状況
ゴーイングコンサーンに関する注記が必要となるのは、企業の継続性に重要な疑義が生じた場合です。具体的には、多額の債務超過、継続的な赤字計上、主要な取引先との取引停止などが挙げられます。これらの事象が発生した場合、企業の将来的な事業継続が危ぶまれるため、財務諸表に注記が必要となります。
経営者は、企業の状況を総合的に判断し、ゴーイングコンサーンの前提に重要な疑義があるかどうかを評価しなければなりません。もし疑義があると判断された場合、その状況を財務諸表に適切に開示する必要があります。適切な情報開示は、利害関係者の意思決定を支援し、市場の透明性を高める上で不可欠です。
状況 | 詳細 | 影響 |
---|---|---|
債務超過 | 資産より負債が多い状態 | 資金繰りの悪化、倒産リスク |
赤字継続 | 収益が費用を下回る状態 | 自己資本の減少、資金調達難 |
取引停止 | 主要取引先との取引がなくなる | 売上減少、事業縮小 |
訴訟 | 会社が訴訟を起こされた場合 | 経営悪化、信用低下 |
注記による影響
ゴーイングコンサーンに関する注記が付されると、企業の信用力に大きな影響を与える可能性があります。投資家は投資を控え、債権者は融資を回収する動きが強まるかもしれません。取引先も取引条件の見直しや取引停止を検討する可能性があり、企業の資金繰りはさらに悪化する恐れがあります。
しかし、注記が付されたからといって、必ずしも企業が倒産するわけではありません。経営者は、事業再建計画を策定し、実行することで、企業の継続性を回復させることができます。そのためには、リストラ、資産売却、新たな資金調達などの対策を講じることが求められます。企業の透明性を高め、利害関係者との信頼関係を構築することが重要です。
影響 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
信用低下 | 投資家や債権者の信頼を失う | 事業再建計画の策定と実行 |
資金調達難 | 新たな資金調達が困難になる | リストラや資産売却による資金確保 |
取引縮小 | 取引先との取引が減少する | 新たな取引先の開拓 |
株価下落 | 株式市場での評価が下がる | 経営改善による株価回復 |