YUVとは?意味をわかりやすく簡単に解説

YUVとは?意味をわかりやすく簡単に解説

YUVとは

YUVは、輝度信号(Y)と2つの色差信号(U,V)を用いて色を表現する方式です。デジタル映像処理や圧縮において、効率的なデータ管理と伝送を実現するために広く利用されています。YUVは人間の視覚特性に基づき、輝度情報に多くのビットを割り当てることで、画質の劣化を抑えつつデータ量を削減することが可能です。

YUV形式は、アナログテレビ放送のカラー情報を効率的に伝送するために開発された経緯があります。白黒テレビとの互換性を保ちながらカラー情報を追加するために、輝度信号と色差信号に分離する方式が採用されました。この方式は、デジタル映像の分野でも引き続き利用され、様々なYUVフォーマットが開発されています。

YUVと類似の概念としてRGBがありますが、RGBは光の三原色(赤、緑、青)を組み合わせて色を表現する方式です。一方、YUVは輝度と色差を分離して表現するため、映像の圧縮や伝送においてより効率的な処理ができます。例えば、YUVでは色差信号の解像度を下げても、視覚的な影響を最小限に抑えることが可能です。

YUVの関連知識

「YUVの関連知識」に関して、以下を解説していきます。

  • YUVの代表的なフォーマット
  • YUVと映像圧縮の関係

YUVの代表的なフォーマット

YUVフォーマットには、YUV444、YUV422、YUV420など様々な種類が存在します。これらのフォーマットは、色差信号のサンプリング方法によって区別され、数字が小さいほど色差情報の解像度が低くなります。YUV420は、色差信号を水平方向と垂直方向の両方で半分に間引くため、最もデータ量を削減できるフォーマットです。

YUV444は、輝度信号と色差信号の解像度が同じであるため、最も高画質ですが、データ量も最も大きくなります。YUV422は、水平方向の色差信号を半分に間引くことで、YUV444とYUV420の中間のデータ量と画質を実現します。用途に応じて適切なフォーマットを選択することが重要です。

フォーマット輝度信号色差信号
YUV444画素全画素
YUV422全画素水平半分
YUV420全画素水平垂直半分
データ量多い少ない

YUVと映像圧縮の関係

YUVは、映像圧縮技術において重要な役割を果たします。人間の視覚特性は、色の変化よりも明るさの変化に敏感であるため、YUV形式で色差信号の情報を削減しても、画質の劣化を知覚しにくいという特性があります。この特性を利用して、MPEGやH.264などの映像圧縮コーデックでは、YUV420などのフォーマットが広く利用されています。

映像圧縮では、YUV形式に変換された映像データに対して、離散コサイン変換(DCT)や量子化などの処理を行い、データ量を削減します。量子化の際には、色差信号に対してより大きな量子化ステップを適用することで、効率的にデータ量を削減できます。YUVは、映像圧縮において画質とデータ量のバランスを取るための重要な要素です。

圧縮技術YUV形式役割
MPEGYUV420データ削減
H264YUV420効率的な圧縮
量子化色差信号データ量調整
視覚特性明るさ変化劣化を知覚抑制

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