
L2スイッチとは
L2スイッチは、ネットワークを構築する上で欠かせない機器です。L2スイッチは、OSI参照モデルのデータリンク層(第2層)で動作し、MACアドレスに基づいてフレームを転送する役割を担います。ネットワークの効率化やセキュリティ向上に大きく貢献するため、その仕組みを理解することは非常に重要です。
L2スイッチの主な機能は、MACアドレステーブルを用いた高速なフレーム転送です。受信したフレームの宛先MACアドレスをテーブルと照合し、該当するポートへ直接転送することで、ネットワーク全体のトラフィックを軽減します。また、VLAN(仮想LAN)を構成することで、ネットワークを論理的に分割し、セキュリティと管理性を高めることも可能です。
L2スイッチは、企業内ネットワークやデータセンターなど、様々な環境で利用されています。ネットワークの規模や要件に応じて、ポート数や機能が異なる様々なモデルが存在します。適切なL2スイッチを選択し、適切に設定・管理することで、ネットワークのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。
L2スイッチの機能と仕組み
「L2スイッチの機能と仕組み」に関して、以下を解説していきます。
- L2スイッチの主な機能
- L2スイッチの動作の仕組み
L2スイッチの主な機能
L2スイッチの主な機能は、MACアドレステーブルに基づいたフレーム転送とVLANによるネットワーク分割です。MACアドレステーブルを参照することで、不要なトラフィックを削減し、ネットワークの効率を高めます。VLAN機能を使用すると、物理的な構成に関わらず、論理的にネットワークを分割し、セキュリティを向上させることが可能です。
さらに、スパニングツリープロトコル(STP)による冗長構成や、QoS(Quality of Service)による優先制御も重要な機能です。STPは、ネットワークのループ構成を回避し、安定した通信を維持します。QoSは、特定のトラフィックに優先度を与え、重要なアプリケーションのパフォーマンスを確保します。
機能 | 説明 | メリット |
---|---|---|
MACアドレステーブル | MACアドレスとポートの対応表 | 高速なフレーム転送を実現 |
VLAN | ネットワークの論理的な分割 | セキュリティ向上と管理性の向上 |
STP | ループ構成の回避 | ネットワークの安定性維持 |
QoS | トラフィックの優先制御 | 重要アプリケーションの性能確保 |
L2スイッチの動作の仕組み
L2スイッチは、フレームを受信すると、まず送信元MACアドレスをMACアドレステーブルに登録します。次に、宛先MACアドレスをテーブルで検索し、該当するポートへフレームを転送します。宛先MACアドレスがテーブルに存在しない場合は、フラッディングと呼ばれる動作を行い、VLAN内の全てのポートへフレームを送信します。
MACアドレステーブルは、L2スイッチが学習したMACアドレスとポートの対応関係を一時的に保持するデータベースです。エージングタイムと呼ばれる一定期間、通信がないMACアドレスはテーブルから削除されます。これにより、テーブルのサイズを適切に保ち、効率的なフレーム転送を実現します。
処理 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
MACアドレス学習 | 送信元MACアドレスをテーブルに登録 | フレーム転送の効率化 |
MACアドレス検索 | 宛先MACアドレスをテーブルで検索 | 適切なポートへの転送 |
フラッディング | 宛先不明の場合、全ポートへ送信 | 宛先MACアドレスの学習 |
エージング | 一定期間未使用のMACアドレスを削除 | テーブルサイズの最適化 |