
Azure Firewallとは
Azure Firewallは、Microsoft Azureクラウドプラットフォーム上で提供されるマネージド型のネットワークセキュリティサービスです。組織のAzureリソースを保護するために、受信および送信のネットワークトラフィックを検査し、悪意のあるアクティビティを検出してブロックする役割を担います。これにより、クラウド環境におけるセキュリティ体制を強化し、潜在的な脅威からシステムを保護することが可能です。
このサービスは、高度な脅威インテリジェンス、リアルタイムのログ記録と分析、および柔軟なルールエンジンを提供し、セキュリティポリシーのカスタマイズを可能にします。Azure Firewallを使用することで、企業はネットワークレベルでのセキュリティを集中管理し、コンプライアンス要件を満たすことができます。また、アプリケーションルールとネットワークルールを組み合わせて、きめ細かいセキュリティポリシーを定義することも可能です。
Azure Firewallは、クラウドネイティブなスケーラビリティと可用性を備えており、ビジネスの成長に合わせて自動的に拡張できます。さらに、Azure Monitorとの統合により、セキュリティイベントやパフォーマンスデータを一元的に監視し、迅速な対応を支援します。Azure Firewallは、クラウド環境における包括的なセキュリティソリューションとして、多くの企業に採用されています。
Azure Firewallの機能
「Azure Firewallの機能」に関して、以下を解説していきます。
- 脅威インテリジェンス
- カスタムルール
脅威インテリジェンス
脅威インテリジェンスとは、既知の悪意のあるIPアドレスやドメインとの通信を自動的にブロックする機能です。これにより、Azure環境への潜在的な攻撃を未然に防ぎ、セキュリティリスクを軽減します。脅威インテリジェンスは、Microsoftのグローバルな脅威インテリジェンスネットワークからの最新情報に基づいており、常に最新の脅威に対応できます。
この機能は、セキュリティ担当者が手動で脅威情報を収集し、対応するルールを設定する手間を省き、自動化された保護を提供します。また、脅威インテリジェンスは、Azure Monitorと統合されており、ブロックされたトラフィックに関する詳細なログとアラートを提供します。これにより、セキュリティチームは、脅威の状況を把握し、必要に応じて追加の対策を講じることが可能です。
項目 | 説明 | 重要度 |
---|---|---|
脅威情報ソース | Microsoftの脅威インテリジェンス | 非常に高い |
自動更新頻度 | リアルタイムに近い | 高い |
対応脅威 | 既知の悪意あるIPアドレスとドメイン | 高い |
ログ記録 | Azure Monitorと統合 | 高い |
カスタムルール
カスタムルールとは、組織の特定のセキュリティ要件に合わせて、ネットワークトラフィックを制御するためのルールを定義できる機能です。アプリケーションルールとネットワークルールを組み合わせることで、きめ細かいセキュリティポリシーを実装できます。カスタムルールを使用することで、特定のアプリケーションやサービスへのアクセスを制限したり、特定のポートやプロトコルをブロックしたりすることが可能です。
この機能は、企業のセキュリティポリシーを柔軟に適用し、コンプライアンス要件を満たすために不可欠です。また、カスタムルールは、Azure Portal、PowerShell、またはAzure CLIを使用して簡単に作成および管理できます。カスタムルールを適切に設定することで、Azure環境を不正アクセスやデータ漏洩から効果的に保護できます。
ルールタイプ | 説明 | 設定項目 |
---|---|---|
アプリケーションルール | FQDNに基づいてトラフィックを制御 | FQDN、ポート、プロトコル |
ネットワークルール | IPアドレス、ポート、プロトコルに基づいて制御 | 送信元IP、宛先IP、ポート、プロトコル |
優先度 | ルールの適用順序 | 数値(低いほど優先度が高い) |
アクション | 許可または拒否 | 許可、拒否 |