DLLファイルとは?意味をわかりやすく簡単に解説

DLLファイルとは?意味をわかりやすく簡単に解説

DLLファイルとは

DLLファイルは、Dynamic Link Libraryの略称であり、Windowsオペレーティングシステムで利用されるプログラムの共有ライブラリです。DLLファイルは、プログラムの実行に必要なコードやデータを含んでおり、複数のプログラムで共有して利用できます。これにより、プログラムのサイズを削減し、メモリの使用効率を高めることが可能です。

DLLファイルは、プログラムのモジュール化を促進し、開発の効率化に貢献します。特定の機能を提供するコードをDLLファイルとして独立させることで、プログラム全体を再コンパイルせずに、その機能だけを更新できます。また、異なるプログラミング言語で作成されたプログラム間でも、DLLファイルを介して機能を共有できます。

DLLファイルは、Windowsのシステムファイルとしても広く利用されており、オペレーティングシステムの基本的な機能を提供しています。例えば、グラフィック表示やネットワーク通信など、多くのシステム機能がDLLファイルとして実装されています。これらのDLLファイルは、Windowsの起動時にロードされ、すべてのプログラムから利用できるようになります。

DLLファイルの構造と利用

「DLLファイルの構造と利用」に関して、以下を解説していきます。

  • DLLファイルの構造
  • DLLファイルの利用方法

DLLファイルの構造

DLLファイルは、大きく分けてコードセクションとデータセクションで構成されており、コードセクションには実行可能な命令が格納され、データセクションにはプログラムが使用する変数が格納されます。これらのセクションは、プログラムがDLLファイルをロードする際に、メモリに展開されます。DLLファイルは、通常、複数の関数やクラスをエクスポートしており、これらの関数やクラスは、他のプログラムから呼び出すことができます。

DLLファイルは、リソースセクションを含むこともあり、リソースセクションには、アイコンや文字列などのプログラムが使用するリソースが格納されます。DLLファイルは、モジュール定義ファイル(.defファイル)を使用して、エクスポートする関数やクラスを定義します。モジュール定義ファイルは、コンパイラやリンカによって処理され、DLLファイルに組み込まれます。

セクション内容備考
コード実行命令関数定義を含む
データ変数グローバル変数など
リソースアイコン文字列など
エクスポート公開関数他のプログラムから利用可能

DLLファイルの利用方法

DLLファイルを利用するには、まず、プログラム内でDLLファイルをロードする必要があります。LoadLibrary関数を使用してDLLファイルをロードし、GetProcAddress関数を使用して、DLLファイル内の関数へのポインタを取得します。取得した関数ポインタを使用して、DLLファイル内の関数を呼び出すことができます。プログラムがDLLファイルの利用を終えたら、FreeLibrary関数を使用してDLLファイルをアンロードする必要があります。

DLLファイルは、暗黙的なリンクと明示的なリンクの2つの方法で利用できます。暗黙的なリンクでは、プログラムのコンパイル時にDLLファイルをリンクし、プログラムの実行時に自動的にDLLファイルがロードされます。明示的なリンクでは、プログラムの実行中にLoadLibrary関数を呼び出してDLLファイルをロードし、GetProcAddress関数を呼び出して関数ポインタを取得します。

利用方法説明関数
暗黙的コンパイル時にリンク実行時に自動ロードなし
明示的実行中にロードLoadLibraryでロードGetProcAddress
アンロード利用終了後に解放FreeLibraryで解放

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