LIFO(Last In, First Out)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

LIFO(Last In, First Out)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

LIFO(Last In, First Out)とは

LIFO(Last In, First Out)は、棚卸資産の評価方法の一つです。企業会計において、売上原価を計算する際に用いられ、最後に仕入れたものから順番に払い出されたとみなす点が特徴です。この評価方法は、特に物価変動が激しい場合に、損益計算に大きな影響を与える可能性があります。

LIFOは、日本語では「後入先出法」と呼ばれます。インフレ時には、売上原価が比較的高く計算されるため、利益が圧縮され、結果として税負担を軽減できる場合があります。しかし、国際会計基準(IFRS)では原則としてLIFOの使用が認められていないため、注意が必要です。

LIFOの適用は、企業の財務諸表に影響を及ぼすため、慎重な検討が必要です。企業の業種や取り扱う商品、市場の状況などを考慮し、適切な会計処理を選択することが重要になります。税務上の影響だけでなく、財務報告の透明性も考慮する必要があるでしょう。

LIFOの会計処理と影響

「LIFOの会計処理と影響」に関して、以下を解説していきます。

  • LIFOの具体的な計算方法
  • LIFOが財務諸表に与える影響

LIFOの具体的な計算方法

LIFOの計算方法は、期末に残った棚卸資産を最も古い仕入れ価格で評価します。売上原価は、直近に仕入れた商品の価格で計算されるため、インフレ時には売上原価が増加し、利益が減少する傾向にあります。具体的な計算例を通して、LIFOの適用による損益への影響を理解しましょう。

例えば、期中に複数回の仕入れがあった場合、売れた商品の原価は、最後に仕入れた価格から順に適用されます。期末に在庫として残った商品は、最も古い仕入れ価格で評価されることになります。この計算方法を理解することで、LIFOが企業の財務状況にどのように影響するかを把握できます。

日付仕入数量仕入単価金額
4月1日100個1000円10万円
7月1日150個1200円18万円
10月1日200個1500円30万円
期末在庫120個

LIFOが財務諸表に与える影響

LIFOを適用すると、損益計算書と貸借対照表にそれぞれ影響が出ます。損益計算書では、売上原価が変動し、利益に直接的な影響を与えます。貸借対照表では、棚卸資産の評価額が変動し、企業の資産状況に影響を及ぼします。これらの影響を理解することで、LIFOの適用が企業の財務状況全体にどのように作用するかを把握できます。

特に、インフレ時には、LIFOによって売上原価が増加し、課税所得が減少する可能性があります。しかし、貸借対照表上の棚卸資産の評価額は低くなるため、企業の財務状況を正確に反映しない場合があります。そのため、LIFOの適用は、税務上のメリットだけでなく、財務報告の透明性も考慮して慎重に判断する必要があります。

項目FIFO(先入先出法)LIFO(後入先出法)
売上原価低い高い
利益高い低い
税金多い少ない
棚卸資産高い低い