
レーザーとは
レーザーは、特定の波長の光を増幅させて発生させる人工的な光のことです。指向性が高く、エネルギー密度が高いため、様々な分野で利用されています。医療、工業、通信など、現代社会において不可欠な技術と言えるでしょう。
レーザー光は、自然光とは異なり、単一の波長、位相、偏光を持ちます。この特性により、精密な加工や情報伝達が可能になります。また、レーザー光は、非常に小さなスポットに集光できるため、高エネルギー密度を実現できます。
レーザー技術は、1960年代に初めて実用化されて以来、急速に発展を遂げてきました。現在では、半導体レーザー、気体レーザー、固体レーザーなど、様々な種類のレーザーが存在します。それぞれのレーザーは、異なる特性を持ち、用途に応じて使い分けられています。
レーザーの種類
「レーザーの種類」に関して、以下を解説していきます。
- レーザーの種類(固体レーザー)
- レーザーの種類(気体レーザー)
レーザーの種類(固体レーザー)
固体レーザーは、固体媒質を用いてレーザー光を発生させる方式です。ルビーレーザーやYAGレーザーなどが代表的で、高出力が得やすい特徴があります。金属加工や医療分野で広く利用されており、その応用範囲は多岐にわたります。
固体レーザーは、媒質に添加された希土類元素や遷移金属イオンが光を吸収し、励起状態になることでレーザー発振を起こします。冷却が必要となる場合もありますが、小型化が可能であり、取り扱いも比較的容易です。近年では、半導体レーザー励起固体レーザー(DPSSレーザー)も普及しています。
種類 | 媒質 | 主な用途 |
---|---|---|
ルビー | ルビー結晶 | 医療用、研究用 |
YAG | YAG結晶 | 金属加工、医療用 |
ガラス | ガラス | 高出力レーザー |
チタンサファイア | チタンサファイア結晶 | 超短パルス |
レーザーの種類(気体レーザー)
気体レーザーは、気体媒質を用いてレーザー光を発生させる方式です。ヘリウムネオンレーザーや炭酸ガスレーザーなどが代表的で、安定した発振と比較的高い出力が得られる特徴があります。産業用途や医療用途で広く利用されており、その信頼性は高いです。
気体レーザーは、放電によって気体分子を励起し、レーザー発振を起こします。冷却が必要となる場合もありますが、均質なビームが得やすく、連続発振に適しています。炭酸ガスレーザーは、特に高出力が得られるため、金属の切断や溶接などの産業用途で重宝されています。
種類 | 媒質 | 主な用途 |
---|---|---|
ヘリウムネオン | ヘリウム、ネオン | 計測、バーコード |
アルゴン | アルゴン | 医療、照明 |
炭酸ガス | 炭酸ガス | 金属加工、医療 |
エキシマ | 希ガス、ハロゲン | 半導体製造 |