
目次
記事の要約
- 広島市消防局と日本XRセンターが共同でMR消火訓練VRコンテンツを開発した
- VRヘッドセットを用いて、現実空間とCGの炎を組み合わせた消火訓練が可能になった
- 老朽化した既存設備の代替として、安全でリアルな訓練環境を提供する
広島市消防局と日本XRセンター共同開発のMR消火訓練VRコンテンツ
日本XRセンターは2025年5月7日、広島市消防局と共同で消火器の使用方法を習得できるVRコンテンツを開発したと発表した。このVRコンテンツは、VRヘッドセットを装着することで現実空間を認識し、周囲の家具にCGの炎を発生させるMR技術を採用しているのだ。
訓練では、まず消火器の使い方を知らない状態で消火に挑戦し失敗する。その後、動画やステップ解説によるレッスンで消火器の使い方を学習し、再度消火に挑戦する流れになっている。この一連の流れを通して、実際の火災状況を疑似体験しながら消火器の使用手順を習得できるようになっている。
実際の火を使わずに安全に訓練できる、高い没入感でリアルな消火体験ができる、屋内で実施できるため天候に左右されないといったメリットがある。広島市消防局は、老朽化した既存の消火訓練設備の代替として、本VRコンテンツの導入を決定したのだ。
本プロジェクトは、広島県が主催するスタートアップ支援プログラム「The Meet広島」の一環として採択された。日本XRセンターのVR/MR技術を活用した提案が、広島市消防局の要望と合致したことが採択の理由である。
導入メリットと開発背景
項目 | 詳細 |
---|---|
開発元 | 株式会社日本XRセンター、広島市消防局 |
発表日 | 2025年5月7日 |
技術 | VR、MR |
訓練内容 | 消火器を使用した初期消火対応 |
導入背景 | 広島市消防局の既存設備老朽化 |
メリット | 安全、リアルな体験、天候に左右されない |
MR技術について
MR技術とは、Mixed Realityの略で、現実世界と仮想世界を融合させた技術である。本VRコンテンツでは、現実世界の家具とCGの炎を組み合わせることで、よりリアルな訓練環境を実現している。
- 現実空間の認識
- CGと現実世界の融合
- 没入感のある体験
MR技術は、訓練だけでなく、様々な分野で活用されており、今後更なる発展が期待される技術だ。
MR消火訓練VRコンテンツに関する考察
本VRコンテンツは、安全で効果的な消火訓練を実現する点で非常に優れている。既存設備の老朽化問題を解決し、コスト削減にも貢献するだろう。しかし、VR酔いなどの問題や、全ての状況を網羅した訓練が難しい可能性もある。
起こりうる問題への対策としては、VR酔いを軽減する工夫や、様々な火災状況に対応したシナリオの追加が必要となるだろう。また、将来的には、より高度なシミュレーションや、遠隔地からの訓練参加なども可能になるような機能追加が期待される。
今後、本VRコンテンツが他の自治体や企業にも導入され、防災意識の向上に貢献することを期待する。更なる技術開発により、より現実的な訓練環境が提供されることを願うのだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【防災VR】日本XRセンターが広島市と共同でMR消火訓練を開発 | 株式会社日本XRセンターのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000110387.html, (参照 2025-05-08).