目次
記事の要約
- TOTOLINK A810R V4.1.2cu.5182_B20201026のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-28021が公開された
- downloadFile.cgiのv14およびv3パラメータに脆弱性が存在する
- CVSSスコアは7.3(High)と評価されている
TOTOLINK A810Rの脆弱性情報公開
MITRE Corporationは2025年4月23日、TOTOLINK A810RルーターのファームウェアバージョンV4.1.2cu.5182_B20201026におけるバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-28021を公開した。この脆弱性は、downloadFile.cgiのv14およびv3パラメータを介して発生する可能性があるのだ。
この脆弱性により、攻撃者は不正なデータを送信することで、システムクラッシュや任意のコード実行を引き起こす可能性がある。そのため、早急な対策が必要となる。CISA-ADPもこの脆弱性情報を更新しており、深刻なセキュリティリスクであることが示唆されている。
脆弱性の影響を受けるのはTOTOLINK A810R V4.1.2cu.5182_B20201026のみである。現在、TOTOLINK社からの公式なパッチ提供や対策情報は確認できない。ユーザーは、最新のファームウェアアップデートを確認するか、製品の使用を一時的に停止するなどの対策を検討する必要があるだろう。
脆弱性詳細と対策情報
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-28021 |
影響を受ける製品 | TOTOLINK A810R V4.1.2cu.5182_B20201026 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
影響を受けるパラメータ | downloadFile.cgiのv14およびv3パラメータ |
CVSSスコア | 7.3 (High) |
CWE | CWE-120: Buffer Copy without Checking Size of Input (‘Classic Buffer Overflow’) |
バッファオーバーフロー脆弱性について
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことだ。これは、プログラムがデータのサイズをチェックせずにバッファにデータを書き込む場合に発生する。
- 予期せぬプログラムの終了
- システムクラッシュ
- 任意のコード実行
バッファオーバーフローは、深刻なセキュリティリスクとなる可能性がある。攻撃者は、この脆弱性を悪用して、システムをクラッシュさせたり、任意のコードを実行したりすることができるからだ。
CVE-2025-28021に関する考察
TOTOLINK A810Rのバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-28021の発見は、IoTデバイスのセキュリティ対策の重要性を改めて示している。迅速なパッチ提供が求められる一方で、多くのIoTデバイスはアップデート機能が限定的である場合が多い。そのため、ユーザー自身によるセキュリティ意識の向上と、ベンダーによる継続的なセキュリティアップデートの提供が不可欠だ。
今後、同様の脆弱性が他のIoTデバイスでも発見される可能性は高い。そのため、IoTデバイスのセキュリティ対策として、定期的なファームウェアアップデートの実施、信頼できるベンダーからの製品選択、ネットワークセグメンテーションなどの対策が重要となるだろう。また、セキュリティ監査ツールなどを活用し、脆弱性の早期発見に努めることも有効な手段である。
さらに、開発段階でのセキュリティコードレビューの徹底や、安全なコーディング規約の遵守など、開発プロセスにおけるセキュリティ対策の強化も必要不可欠だ。これにより、将来的な脆弱性発生リスクを低減し、より安全なIoT環境を実現できるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-28021」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-28021, (参照 2025-05-08).