目次
記事の要約
- MediaTekが情報漏洩の脆弱性を修正
- SELinuxポリシーの欠如が原因でデバイス識別子が漏洩する可能性があった
- MT6580など多数のチップセットが影響を受ける
MediaTekのセキュリティアップデート
MediaTek社は2025年5月5日、複数のチップセットにおける情報漏洩の脆弱性CVE-2025-20665を修正するセキュリティアップデートを公開した。この脆弱性は、devinfoにおけるSELinuxポリシーの欠如が原因で発生する可能性があったのだ。
この脆弱性により、デバイス識別子などの情報がローカルで漏洩する可能性があった。追加の権限は必要なく、ユーザーの操作も必要ないため、悪用されるリスクが高かった。MediaTek社は、ALPS09555228とMSV-2760というIDでこの問題を追跡していた。
影響を受けるチップセットはMT6580、MT6761、MT6765、MT6768、MT6779、MT6781、MT6785、MT6789、MT6833、MT6835、MT6853、MT6855、MT6873、MT6877、MT6879、MT6883、MT6885、MT6886、MT6889、MT6893、MT6895、MT6983、MT6985、MT8175、MT8195、MT8196、MT8321、MT8365、MT8370、MT8385、MT8390、MT8395、MT8666、MT8667、MT8673、MT8678、MT8765、MT8766、MT8768、MT8771、MT8775、MT8781、MT8786、MT8788、MT8788E、MT8789、MT8791T、MT8795T、MT8796、MT8797、MT8798、MT8893など多数に及ぶ。
影響を受ける製品とバージョン
チップセット | 影響を受けるAndroidバージョン |
---|---|
MT6580, MT6761, MT6765, MT6768, MT6779, MT6781, MT6785, MT6789, MT6833, MT6835, MT6853, MT6855, MT6873, MT6877, MT6879, MT6883, MT6885, MT6886, MT6889, MT6893, MT6895, MT6983, MT6985, MT8175, MT8195, MT8196, MT8321, MT8365, MT8370, MT8385, MT8390, MT8395, MT8666, MT8667, MT8673, MT8678, MT8765, MT8766, MT8768, MT8771, MT8775, MT8781, MT8786, MT8788, MT8788E, MT8789, MT8791T, MT8795T, MT8796, MT8797, MT8798, MT8893 | Android 13.0, 14.0, 15.0 |
SELinuxポリシーについて
SELinux(Security-Enhanced Linux)とは、Linuxカーネルに統合された強制アクセス制御システムである。ファイルやプロセスへのアクセスを厳密に制御することで、システムのセキュリティを強化する役割を担う。
- アクセス制御の強化
- 不正アクセスからの保護
- セキュリティポリシーの適用
今回の脆弱性は、SELinuxポリシーが適切に設定されていなかったことが原因だ。適切なポリシー設定は、システムのセキュリティを維持するために不可欠である。
CVE-2025-20665に関する考察
MediaTekによる迅速な対応は評価できる。情報漏洩の脆弱性は深刻な問題であり、早期の修正はユーザーの安全を守る上で非常に重要だ。しかし、今後同様の脆弱性が発見される可能性も否定できない。
そのため、MediaTekは継続的なセキュリティ監査とアップデートの提供を継続する必要がある。また、開発者に対しても、SELinuxポリシーの重要性に関する教育やサポートを提供することで、同様の脆弱性の発生を予防できるだろう。
さらに、ユーザーに対しても、アップデートの適用を促すための啓発活動を行うことが重要だ。セキュリティ意識の向上は、システム全体のセキュリティレベルを向上させる上で不可欠な要素である。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-20665」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-20665, (参照 2025-05-08).