目次
記事の要約
- ソニー銀行が新勘定系システムを稼働開始
- 富士通のソリューションとAWSを活用したクラウドネイティブなシステム
- ビジネスアジリティ向上、顧客利便性向上を実現
ソニー銀行の新勘定系システム稼働開始
富士通株式会社は2025年5月7日、ソニー銀行株式会社の新勘定系システムが2025年5月6日に稼働開始したと発表した。この次世代デジタルバンキングシステムは、富士通の勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank」とAmazon Web Services(AWS)を活用して構築されたクラウドネイティブなシステムである。
次世代デジタルバンキングシステムは、ソニー銀行の様々な商品・サービス、取引機能をマイクロサービス化して実装している。これにより、新商品・サービスの迅速な提供や既存機能の柔軟な改良が可能になり、ビジネスアジリティの強化を実現しているのだ。
ソニー銀行は、ビジネスアジリティの最大化を目指し、開発生産性の向上や業務効率化の推進、データ基盤の整備を実現するために、勘定系システムを従来のシステムから完全に刷新した。その結果、アライアンス推進を柔軟にし、顧客利便性の向上および、より安価かつタイムリーな商品・サービスの提供が可能になった。
今回の移行により、先行してクラウド化を進めてきた周辺システムとあわせて、勘定系を含めたほぼすべてのシステムのクラウド化が実現した。このシステムは、信頼性を担保しつつ柔軟性や俊敏性を備えたシステムへと刷新されたのだ。
システム概要
項目 | 詳細 |
---|---|
システム名 | 次世代デジタルバンキングシステム |
稼働開始日 | 2025年5月6日 |
開発元 | 富士通株式会社 |
ソリューション | Fujitsu Core Banking xBank |
クラウド環境 | Amazon Web Services (AWS) |
アーキテクチャ | クラウドネイティブ |
特徴 | マイクロサービス化、ビジネスアジリティ向上、顧客利便性向上 |
マイクロサービスアーキテクチャ
本システムは、マイクロサービスアーキテクチャを採用している。これは、システムを小さな独立したサービスに分割することで、開発、展開、保守を容易にする設計手法だ。
- 開発効率の向上
- 柔軟なシステム拡張
- 障害発生時の影響範囲縮小
しかし、勘定系システムではデータの一貫性が重要となるため、富士通は独自の同期処理を実装し、ACID特性を担保している。
新システムに関する考察
ソニー銀行の新勘定系システムは、クラウドネイティブなアーキテクチャを採用することで、高い柔軟性と拡張性を獲得した点が評価できる。これにより、顧客ニーズの変化に迅速に対応し、新たなサービスを迅速に提供できるようになるだろう。しかし、クラウド環境への依存度が高まるため、セキュリティ対策やシステム障害への対応が課題となる可能性がある。
システム障害発生時の影響を最小限に抑えるためには、堅牢な監視システムの構築と迅速な復旧体制の整備が不可欠だ。また、マイクロサービス間の連携をスムーズに行うための仕組みも重要となるだろう。
今後、AIを活用した不正検知システムや、顧客一人ひとりに最適化されたサービスを提供するパーソナライズ機能の追加が期待される。これらの機能により、顧客満足度向上と業務効率化がさらに進むだろう。
参考サイト/関連サイト
- FUJITSU.「富士通のソリューションを採用したソニー銀行様の新勘定系システムが稼働開始 : 富士通」.https://pr.fujitsu.com/jp/news/2025/05/7.html, (参照 2025-05-08).