Fedora LinuxがWSL公式ディストリビューションに追加、tarベースのWSLイメージ提供開始

記事の要約

• Fedora LinuxがWSLの公式ディストリビューションに追加された
• Fedora Linux 42からtarベースのWSLイメージが提供開始
• `wsl –install FedoraLinux-42`コマンドで簡単にインストール可能

Fedora LinuxがWSLの公式ディストリビューションに追加

Microsoftは2025年5月6日、Fedora LinuxがWindows Subsystem for Linux（WSL）の公式ディストリビューションに追加されたことを発表した。これはFedora ProjectがWSLの新しいtarベースのアーキテクチャを活用した成果であり、Fedora Linux 42からWSLイメージが提供されるようになったのだ。

インストールは`wsl –install FedoraLinux-42`コマンドを実行し、起動は`wsl –d FedoraLinux-42`コマンドで行う。初回起動時にはユーザー名を入力する必要があるが、デフォルトではパスワードは設定されず、sudoコマンドを使用できるwheelグループに属する。これにより、多くのコマンドを容易に実行できるようになっている。

Fedora LinuxはdnfパッケージマネージャーとFlatpakをサポートする。ただし、Flatpakはデフォルトでは含まれていないため、`sudo dnf install flatpak`コマンドでインストールし、Flathubの手順に従って設定する必要がある。GCC 15、LLVM 20、Golang 1.24など、最新のソフトウェア開発ツールも利用可能だ。

GUIアプリケーションのハードウェアアクセラレーションやFlatpakエクスペリエンスの改善など、今後の継続的な改善も予定されている。バグや問題が発生した場合は、Fedora ProjectのDiscourseやMatrixで報告することが推奨される。

Fedora Linux on WSLのインストールと設定

Flatpakについて

Flatpakは、アプリケーションをパッケージ化し、配布するためのシステムだ。サンドボックス環境でアプリケーションを実行するため、システムの安定性を維持しつつ、様々なアプリケーションを簡単にインストール・更新できる。

• 複数のアプリケーションを独立して管理
• システムへの影響を最小限に抑える
• 最新のアプリケーションを簡単に利用可能

Fedora Linux on WSLでは、Flatpakを利用することで、GUIアプリケーションを含む様々なソフトウェアを簡単に利用できるようになる。ただし、デフォルトではインストールされていないため、別途インストールする必要がある点に注意が必要だ。

Fedora Linux on WSLに関する考察

Fedora LinuxがWSLに対応したことで、Windowsユーザーは手軽にFedora Linuxの環境を利用できるようになった。これは開発者にとって大きなメリットであり、Windows環境でのLinux開発がより容易になるだろう。しかし、GUIアプリケーションのハードウェアアクセラレーションやFlatpakの統合など、改善すべき点も残されている。

今後、GUIアプリケーションのサポートが強化されれば、より多くのユーザーがWSL上でFedora Linuxを利用するようになるだろう。一方で、セキュリティ面での課題も考慮する必要がある。定期的なアップデートとセキュリティパッチの適用が不可欠であり、ユーザー側もセキュリティ意識を高める必要がある。

Fedora ProjectとMicrosoftの連携強化により、WSL上のFedora Linuxはさらに使いやすくなり、機能も充実していくと期待できる。特に、Flatpakの統合やGUIアプリケーションのサポート強化は、ユーザーエクスペリエンスを大きく向上させるだろう。

参考サイト/関連サイト