
目次
記事の要約
- IBMがハイブリッド統合ソリューション「IBM webMethods Hybrid Integration」を発表
- AIを活用した統合エージェントにより生産性向上を実現
- 2025年6月16日より一般提供開始予定
IBM webMethods Hybrid Integrationを発表
IBMは2025年5月9日、Think 2025において、エンタープライズ統合ソリューション「IBM webMethods Hybrid Integration」を発表した。このソリューションは、AI、API、アプリケーション、イベント、ファイル、B2B/EDI、メインフレーム内のデータなど、多様なデータソースを統合することで、企業の生産性向上を目指すものだ。
オンプレミスとマルチクラウド環境全体に対応し、統合パターンの開発、デプロイメント、管理、モニタリングを包括的に提供する。既存の投資と次世代の統合テクノロジーとのギャップを埋めることで、ITチームの運用負担を軽減し、よりレジリエントでアジャイルなビジネスを実現することを目指しているのだ。
IBM webMethods Hybrid Integrationは、エージェント型AIを活用し、統合ユースケースを強化する。Integration Agent、API Agent、AI GatewayといったAI機能により、開発者だけでなく、技術者以外のユーザーでも複雑な統合を容易に構築、テスト、デプロイ、監視できるようになっている。
さらに、堅牢なB2B統合機能も備え、IBM Sterling B2B Integration VANとの連携により、310万を超える取引先との迅速な接続と取引を可能にする。アプリケーション統合と組み合わせることで、社内システムと外部パートナーをつなぐシームレスなエンドツーエンドのプロセス自動化を実現するのだ。
IBM webMethods Hybrid Integrationの機能
機能 | 詳細 |
---|---|
Integration Agent | 言語ベースのSDK、API、イベント間の統合を自動生成 |
API Agent | 自然言語入力に基づいたAPI管理アクションの自動化 |
AI Gateway | AIサービスの可視性と制御を提供、コスト管理支援 |
B2B統合 | IBM Sterling B2B Integration VANとの連携による迅速な接続 |
イベント駆動型アーキテクチャ | リアルタイムデータ対応、顧客体験向上、ビジネスオペレーション最適化 |
API駆動型コンポーザビリティー | APIの組み立てと再構成による柔軟で再利用可能な統合 |
メインフレームデータ活用 | メインフレームに保存されているデータの活用 |
消費ベースの価格設定 | トランザクションに基づく従量課金制 |
エージェント型AIの活用
IBM webMethods Hybrid Integrationは、エージェント型AIを統合の中核に据えている。これは、AIを単なるアドオンではなく、開発ライフサイクル全体における統合実行方法の根本的な変化として捉えているからだ。
- Integration Agentによる自動化
- API AgentによるAPI管理の効率化
- AI GatewayによるAIサービスの可視化と制御
これらのAI機能により、開発効率の向上、コスト削減、そしてビジネスの俊敏性向上を実現する。
IBM webMethods Hybrid Integrationに関する考察
IBM webMethods Hybrid Integrationは、複雑化する企業の統合ニーズに応える強力なソリューションであると考えられる。AIの活用により、開発効率や運用効率の大幅な向上が期待できるからだ。しかし、導入にあたっては、既存システムとの連携や、AIモデルの精度、セキュリティ対策など、様々な課題を検討する必要があるだろう。
起こりうる問題としては、AIモデルの学習データ不足による精度低下や、予期せぬエラー発生によるシステム停止などが考えられる。これらへの対策として、十分なデータ準備、エラーハンドリングの強化、そして継続的なモニタリング体制の構築が重要となるだろう。また、導入後の運用コストについても、綿密な計画が必要だ。
今後追加してほしい機能としては、より高度なAIによる自動化機能の強化や、多様なデータソースへの対応強化などが挙げられる。また、ユーザーインターフェースの改善や、より詳細なレポート機能なども期待したい。IBMが継続的に機能強化を進め、企業のデジタル変革を支援していくことを期待する。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「IBM webMethods Hybrid Integration: エージェント型AI時代の統合 | 日本アイ・ビー・エム株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000629.000046783.html, (参照 2025-05-09).