
目次
記事の要約
- LiqlidにAIによる論点自動抽出機能とSNS意見集約機能を追加
- 大量の市民意見を効率的に分析し、政策形成に反映
- 京都市や静岡県などで先行活用、70以上の自治体で利用
Liqlidのアップデートで市民意見反映を効率化
株式会社Liquitousは2025年5月8日、市民参加型合意形成プラットフォーム「Liqlid」のアップデートを実施し、AIを活用した2つの新機能を公開した。これらの機能は、既に70以上の国内外の自治体で活用されているLiqlidの機能強化を目的としているのだ。
追加された機能は、「論点の自動抽出機能」と「SNS上の意見集約機能」である。論点の自動抽出機能は、LLMと自然言語処理を用いて投稿を解析し、主要論点を自動分類・可視化する。これにより、担当職員は膨大な意見の分類作業を大幅に削減できるようになる。
一方、SNS上の意見集約機能は、X(旧Twitter)などのSNS上の公開投稿を収集・分析し、Liqlidへの直接投稿されない意見も把握できる。施策検討の早期段階で活用することで、より多くの市民意見を反映した政策形成が可能になるのだ。
これらの機能は、京都市の長期ビジョン策定や静岡県のこども意見表明プラットフォーム「こえのもりしずおか」などで先行して活用されており、令和7年度からはより多くの自治体で活用されている。
Liqlid新機能詳細
機能名 | 詳細 |
---|---|
論点の自動抽出機能 | LLMと自然言語処理で投稿を解析し、主要論点を自動分類・可視化 |
SNS上の意見集約機能 | SNS上の公開投稿をテーマ・地域単位で自動収集し、傾向を可視化 |
活用事例(京都市) | 「みんなの理想京」で収集された市民意見を分析し、審議会資料として公開 |
活用事例(静岡県) | 「こえのもりしずおか」で収集された意見を「こども幸せプラン」策定に活用 |
導入自治体数 | 70以上(国内外) |
投稿件数(例) | 地域によっては半年で10,000件超 |
AIによる市民意見分析について
本アップデートで導入されたAI機能は、LLM(大規模言語モデル)と自然言語処理技術を活用している。これにより、大量のテキストデータを効率的に分析し、主要な論点を抽出することが可能になるのだ。
- 大量データの迅速な分析
- 論点の明確化と可視化
- 政策形成への効果的な意見反映
ただし、AIの誤った推論(ハルシネーション)を防ぐため、投稿の原文を確認できる機能も搭載されている。AIの活用と人間の判断を組み合わせることで、より正確な分析結果を得ることが可能だ。
Liqlid新機能に関する考察
Liqlidの新機能は、自治体の政策形成における市民参加の促進に大きく貢献するだろう。大量の意見を効率的に分析できることで、より多くの市民の声を政策に反映できる可能性がある。しかし、AIの精度や倫理的な問題、データプライバシーへの配慮など、課題も存在する。
例えば、AIによる分析結果の偏りや誤解釈を防ぐための対策が必要となるだろう。また、SNSデータの収集においては、プライバシー保護や情報の正確性の確保に十分な注意を払う必要がある。これらの課題をクリアすることで、より効果的な市民参加を実現できる。
今後、AIによる分析機能の更なる高度化や、多様なデータソースとの連携などが期待される。例えば、音声データや画像データの分析機能を追加することで、より多様な市民の声を収集できるようになるだろう。Liqlidの進化によって、より民主的で効率的な政策形成が実現することを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「AIを活用し、効果的かつ効率的な政策形成への市民意見反映に向け、Liqlidの機能追加・アップデートを実施 | 株式会社Liquitousのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000054692.html, (参照 2025-05-09).