目次
記事の要約
- ServiceNowがエージェンティックAIを活用した完全自律型ITを発表
- 障害ゼロ、ダウンタイムゼロ、サービスデスク対応ゼロを目指す
- OTとDEXの新機能で、問題発生前に解決しレジリエンスを高める
ServiceNowが完全自律型ITを発表
ServiceNowは2025年5月8日、エージェンティックAIによって強化された完全自律型ITの新たな標準を発表した。これはAIによる自律性が企業テクノロジーの基盤となり、ITが受動的なサポート機能から戦略的な役割へと進化する転換点を示しているのだ。
ServiceNow AI Platform上に構築されたこのシステムは、ITSM、ITOM、ITAM、SPM、OT、Data Foundationといった領域で新たなAIエージェントを展開する。これらのAIエージェントは、サードパーティ製システムを含む企業全体のリアルタイムデータを活用し、知的で状況に応じた自律的なアクションを実行するのだ。
障害ゼロ、ダウンタイムゼロ、サービスデスク対応ゼロという未来の実現を目指し、業務に支障が出る前に問題を解決することで企業のレジリエンスを高める、新たなOperational Technology(OT)およびDigital End-User Experience(DEX)の機能も発表された。これにより、ITチームはイノベーションや戦略に集中できるようになる。
ServiceNowの自律型ITソリューション
領域 | AIエージェントの機能 |
---|---|
ITSM | 時間を要する反復作業の削減、重大インシデント発生時のリアルタイムコミュニケーション強化 |
ITOM | アラートの優先順位付け、根本原因分析、ServiceNowおよび外部システムのリアルタイムデータ活用による迅速な問題解決 |
ITAM | ソフトウェアやハードウェアの自律的な調達、資産取得とコンプライアンスのシームレスな管理 |
SPM | プロジェクトマネージャーの実行状況の継続的な把握、重要タスクの遅延などの即時通知 |
OT | 資産、プロセス、脅威にわたるエンドツーエンドの可視化、インテリジェントかつ予測的なオペレーションによる業務中断の予防 |
DEX | 問題が報告される前に対処する事前対応型の修復機能、セルフサービスやサポートチャネル全体へのAIエージェント統合 |
エージェンティックAIについて
エージェンティックAIは、自律的に学習、推論、実行を行うAIエージェントのことだ。これにより、人手による介入を減らしながらシステムの円滑な運用を維持することが可能になる。
- 継続的な学習と推論
- 人手による介入の削減
- システムの円滑な運用維持
エージェンティックAIは、ITチームがイノベーションや戦略に集中できるよう支援し、ビジネスの成長と変革を推進する戦略的な役割を担うのだ。
ServiceNow自律型ITに関する考察
ServiceNowの自律型ITソリューションは、IT運用の効率化とレジリエンス向上に大きく貢献するだろう。問題発生後の対応ではなく、事前に予測し解決することで、ダウンタイムや人的コストを削減できる点が大きなメリットだ。しかし、AIシステムの信頼性やセキュリティ確保が課題となる可能性もある。
AIシステムの誤動作やセキュリティ侵害によるデータ漏洩リスクへの対策は不可欠だ。そのため、堅牢なセキュリティ対策と、AIの判断プロセスに対する監視・検証体制の構築が重要となるだろう。また、AIの学習データの偏りによる不公平な結果や、予期せぬ状況への対応能力の不足なども考慮する必要がある。
今後、より高度な予測機能や、多様なシステムとの連携機能の追加が期待される。さらに、ユーザーインターフェースの改善や、より直感的な操作性の実現も重要だ。これらの課題を解決することで、ServiceNowの自律型ITは、企業のデジタル変革をさらに加速させるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ServiceNow、エージェンティックAIによって、ゼロダウンタイム、ゼロ障害の未来を見据え、完全に自律したITの新たな標準を提示 | ServiceNow Japan合同会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000029239.html, (参照 2025-05-09).