
目次
記事の要約
- レシップが米国2事業者から運賃収受システムを受注
- OCTAとCAT向けに計約1300万米ドル規模のシステム納入
- 2026年納入・運用開始予定、米国での7・8件目の受注
レシップ、米国公共交通機関向け運賃収受システムを受注
レシップホールディングスの連結子会社LECIP INC.は2025年5月8日、米国カリフォルニア州のOrange County Transportation Authority(OCTA)とフロリダ州のCollier County(CAT)から公共交通機関向けバス用運賃収受システムを受注したと発表した。この受注は、2024年3月期にオレゴン州ポートランドとテキサス州ヒューストンの公共交通機関向けに続くものとなる。
受注金額は2件合計で約1,300万米ドルに上り、5年間の保守・運用支援も請け負う。OCTA向けにはバス用運賃箱592台(予備品込)とバックオフィスシステム、CAT向けにはバス用運賃箱33台(予備品込)とバックオフィスシステムを納入する予定だ。いずれも2026年の納入・運用開始を予定している。
今回の受注は、レシップグループが北米市場で積み重ねてきた実績とプロジェクト体制、製品の高品質が評価された結果である。米国公共交通機関の運営や設備投資は入札によって行われ、価格だけでなく実績やプロジェクト体制が重視される傾向があるのだ。レシップグループは、引き続き北米市場における公共交通機関向けAFC事業を強化し、さらなる実績獲得に努めるとしている。
受注概要と事業者情報
項目 | OCTA | CAT |
---|---|---|
事業者名 | Orange County Transportation Authority | Collier County (Collier Area Transit) |
所在地 | 米国カリフォルニア州 | 米国フロリダ州 |
業種 | 公共交通機関運営(路線バス) | 公共交通機関運営(路線バス) |
路線数 | 52路線 | 17路線 |
バス保有台数 | 508台 | 30台 |
輸送人員(年) | 約3,700万人(2024年) | 約84万人(2023年) |
運賃箱台数 | 592台(予備品込) | 33台(予備品込) |
運賃収受システム(AFC)について
AFC(Automatic Fare Collection)とは、公共交通機関における運賃収受システムのことだ。現金、カード、モバイル決済など様々な支払い方法に対応し、効率的な運賃管理を実現する。
- 乗客の利便性向上
- 不正利用の抑制
- 運賃収入の正確な把握
レシップのAFCシステムは、これらの機能に加え、クラウドサービスとの連携によるデータ分析や遠隔監視なども可能である。
レシップの米国公共交通機関向け運賃収受システム受注に関する考察
今回の受注は、レシップの北米市場におけるAFC事業の更なる拡大に繋がる大きな成果である。既存顧客からの継続的な受注は、製品・サービスの信頼性と高い顧客満足度を示していると言える。しかしながら、競合他社の台頭や技術革新の加速といった課題も存在するだろう。
今後起こりうる問題としては、システムのセキュリティ対策や、多様な決済手段への対応、そして保守・運用における迅速な対応などが挙げられる。これらの問題への対策として、継続的なセキュリティアップデート、多様な決済システムとのインターフェース開発、そして迅速なサポート体制の構築が重要となるだろう。
今後追加してほしい機能としては、AIを活用した需要予測機能や、リアルタイムでの運行状況把握機能などが考えられる。これらの機能により、公共交通機関の効率的な運営に貢献し、利用者の利便性向上に繋がるだろう。レシップには、更なる技術革新と顧客ニーズへの対応により、北米市場での更なる成功を期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「米国の公共交通機関2事業者から公共交通機関向けバス用運賃収受システムを受注 | レシップホールディングス株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000075727.html, (参照 2025-05-09).