大塚倉庫とソラコム、生成AI活用倉庫侵入検知システムを共同開発、セキュリティ強化と業務効率化を実現

大塚倉庫とソラコム、生成AI活用倉庫侵入検知システムを共同開発、セキュリティ強化と業務効率化を実現
PR TIMES より

記事の要約

  • 大塚倉庫とソラコムが生成AIを活用した倉庫侵入検知システムを共同開発
  • SORACOM Fluxを用いたローコード開発で短期間でのシステム構築を実現
  • カメラ映像のAI分析による不正侵入検知とリアルタイム通知で倉庫の安全性を向上

大塚倉庫とソラコムによる生成AI活用倉庫侵入検知システム共同開発

株式会社ソラコムは2025年5月9日、大塚倉庫株式会社と共同で、IoTプラットフォームSORACOMを採用したカメラと生成AIを活用した倉庫の侵入検知システムを開発したと発表した。このシステムは、倉庫内の複数箇所に設置されたカメラで定期的に静止画を取得し、生成AIが不正侵入者を検知すると、倉庫管理担当者に通知する仕組みだ。

従来は録画映像を確認する必要があったが、リアルタイムでの通知により、倉庫の安全性とセキュリティが向上し、業務の品質も高まることが期待される。SORACOM Fluxのローコード開発機能により、自然言語で検知条件を定義し、生成AIモデルを容易にチューニングできるため、検知精度の調整や拠点ごとの設定変更も可能になったのだ。

大塚倉庫は、医薬品、食品、飲料、日用品などの物流を担っており、「コネクテッド物流」の実現を目指している。今回のシステム開発は、全国の物流現場を一元管理する取り組みの一環として行われた。生成AIを活用した出荷作業の解析による出荷ミス防止の研究開発も予定されている。

SORACOM Fluxは、IoTや生成AIを使いこなすことで、現場でのアイデアやイノベーションの実現を支援するサービスである。ソラコムは、市場のニーズや顧客フィードバックに基づき、機能を拡充し、現場DXを支援していくとしている。

システム概要とSORACOM Flux

項目詳細
システム名カメラと生成AIを活用した倉庫侵入検知システム
開発企業大塚倉庫株式会社、株式会社ソラコム
プラットフォームSORACOM
開発ツールSORACOM Flux
AIモデルGoogle Gemini
開発期間約1ヶ月
機能カメラ映像による不正侵入検知、リアルタイム通知、検知条件の自然言語による設定変更
SORACOM Flux

生成AIとSORACOM Flux

本システムでは、Google Geminiなどの汎用的な生成AIモデルが活用されている。SORACOM Fluxは、ローコード開発環境を提供することで、AIモデルへの入力条件(服装、ヘルメットの着用有無など)を自然言語で簡単に変更できる点が大きな特徴だ。

  • 自然言語による設定変更の容易さ
  • 短期間でのシステム構築が可能
  • 既存の生成AIモデルの活用

これにより、専門知識がなくてもAIを活用したシステム開発が可能になり、迅速な導入と柔軟な運用を実現している。

本システムに関する考察

本システムは、リアルタイムでの侵入検知と柔軟な設定変更が可能な点が大きなメリットである。これにより、倉庫のセキュリティ強化と業務効率の向上が期待できる。しかし、AIの誤検知や、AIモデルの精度向上のための継続的なメンテナンスが必要となる可能性があるだろう。

誤検知対策としては、複数のカメラからの情報統合や、人間の監視による確認体制の構築が考えられる。また、AIモデルの精度向上には、継続的なデータ学習とフィードバックが不可欠だ。将来的には、AIによる異常検知機能の追加や、多様な侵入方法への対応など、更なる機能拡張が期待される。

大塚倉庫は、デジタル化による物流現場の効率化を推進している。本システムは、その取り組みの一環として、今後の物流業界におけるAI活用の可能性を示唆する成功事例となるだろう。ソラコムとの連携による迅速な開発と、柔軟なシステム運用は、他の企業にとっても参考になるだろう。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「大塚倉庫とソラコムが、カメラと生成AIを活用した倉庫の侵入検知システムを共同開発 | 株式会社ソラコムのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000297.000034562.html, (参照 2025-05-09).

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