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ADFS(Active Directory Federation Services)とは
ADFS(Active Directory Federation Services)はマイクロソフトが提供する、シングルサインオン(SSO)を実現するための機能です。ユーザーは一度認証を受けるだけで、複数のWebアプリケーションやサービスにアクセスできるようになります。ADFSは組織内外のリソースへのアクセス管理を効率化し、セキュリティを向上させるために重要な役割を果たします。
ADFSは、異なる組織間で連携するフェデレーション環境を構築する際に特に有効です。例えば、自社のActive Directory環境とクラウドサービスプロバイダーの認証基盤を連携させることで、ユーザーは自社の認証情報を使ってクラウドサービスにアクセスできます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、管理者の負担も軽減されます。
ADFSを理解することは、現代のエンタープライズIT環境において不可欠です。クラウドサービスの利用が拡大するにつれて、ADFSのようなフェデレーション技術の重要性はますます高まっています。ADFSを適切に導入・運用することで、組織全体のセキュリティと利便性を両立させることが可能です。
ADFSの主要な機能
「ADFSの主要な機能」に関して、以下を解説していきます。
- シングルサインオンの実現
- IDフェデレーションの仕組み
シングルサインオンの実現
シングルサインオン(SSO)は、一度の認証で複数のアプリケーションやサービスにアクセスできる機能です。ADFSを利用することで、ユーザーは何度もIDとパスワードを入力する手間を省き、スムーズに業務を進めることができます。SSOはユーザーエクスペリエンスを向上させるだけでなく、パスワード管理の負担を軽減し、セキュリティリスクを低減する効果も期待できます。
ADFSは、Kerberos認証や証明書認証など、様々な認証方式をサポートしています。これにより、組織のセキュリティポリシーやインフラストラクチャに合わせて最適な認証方式を選択できます。また、多要素認証(MFA)と組み合わせることで、さらにセキュリティを強化することも可能です。
機能 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
認証連携 | 複数の認証基盤と連携 | 柔軟な認証方式に対応 |
トークン発行 | 認証情報に基づきトークン発行 | 安全なリソースアクセス |
ポリシー適用 | アクセス制御ポリシーを適用 | セキュリティレベル向上 |
監査機能 | 認証・認可ログを記録 | 不正アクセスの追跡 |
IDフェデレーションの仕組み
IDフェデレーションは、異なる組織間でユーザーのID情報を共有し、連携する仕組みです。ADFSは、標準的なプロトコルであるSAML(Security Assertion Markup Language)やOAuth 2.0などをサポートしており、異なる組織の認証基盤を安全に連携させることができます。これにより、ユーザーはパートナー企業のサービスに、自社の認証情報を使ってアクセスできるようになります。
IDフェデレーションを導入することで、組織間の連携がスムーズになり、ビジネスの機会が拡大します。例えば、サプライチェーン全体でID情報を共有することで、サプライヤーや顧客との連携を強化し、業務効率を向上させることができます。また、クラウドサービスプロバイダーとの連携を容易にし、クラウドサービスの利用を促進することも可能です。
プロトコル | 概要 | 用途 |
---|---|---|
SAML | XMLベースの認証プロトコル | WebアプリケーションのSSO |
OAuth | APIアクセスの委譲プロトコル | API連携、モバイルアプリ |
OpenID | OAuthを拡張した認証プロトコル | ソーシャルログイン |
WS-Federation | Webサービスの認証プロトコル | レガシーシステム連携 |