IPsec VPNとは?意味をわかりやすく簡単に解説

IPsec VPNとは?意味をわかりやすく簡単に解説

IPsec VPNとは

IPsec VPNは、インターネットを介して安全な通信を実現する技術です。IPsecは「Internet Protocol Security」の略で、VPNは「Virtual Private Network」の略であり、この二つを組み合わせることで、データの暗号化と認証を行い、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。企業が拠点間を接続したり、従業員がリモートから社内ネットワークに安全にアクセスしたりするために広く利用されています。

IPsec VPNは、トンネリングという技術を用いて、データを暗号化されたトンネルの中に包み込みます。このトンネルを通ることで、データは外部から保護され、安全に目的地まで届けることが可能です。IPsec VPNは、セキュリティレベルが高く、信頼性が高い通信を実現できるため、多くの企業や組織で採用されています。

IPsec VPNを導入することで、企業はセキュリティを強化し、情報漏洩のリスクを低減できます。また、リモートワーク環境においても、従業員は安全に社内ネットワークにアクセスでき、業務効率の向上にもつながります。IPsec VPNは、現代のビジネス環境において、不可欠なセキュリティ対策の一つと言えるでしょう。

IPsec VPNの仕組み

「IPsec VPNの仕組み」に関して、以下を解説していきます。

  • IPsec VPNの通信手順
  • IPsec VPNの2つのモード

IPsec VPNの通信手順

IPsec VPNの通信手順は、大きく分けてIKE(Internet Key Exchange)フェーズとIPsecフェーズの2段階で構成されます。IKEフェーズでは、通信の開始時に、暗号化や認証に使用する鍵を安全に交換し、通信相手を認証します。この鍵交換によって、安全な通信路を確立することが可能です。

IPsecフェーズでは、IKEフェーズで確立された安全な通信路を用いて、実際のデータの送受信を行います。送信されるデータは、暗号化され、認証ヘッダーが付加されることによって、データの機密性と完全性が保護されます。受信側では、暗号化されたデータが復号され、認証ヘッダーが検証されることで、データの正当性が確認されます。

手順内容目的
IKE Phase1鍵交換ポリシー合意安全な通信路確立
IKE Phase2IPsec SA確立暗号化方式などを決定
IPsec通信データの暗号化と送信データの機密性確保
IPsec通信データの復号と検証データの完全性検証

IPsec VPNの2つのモード

IPsec VPNには、トランスポートモードとトンネルモードという2つの主要なモードが存在します。トランスポートモードは、エンドツーエンドの通信において、ペイロード(データ部分)のみを暗号化し、IPヘッダーは暗号化せずにそのまま使用します。このモードは、ホスト間の安全な通信に適しており、オーバーヘッドが少ないという特徴があります。

トンネルモードは、IPパケット全体を暗号化し、新しいIPヘッダーを付加して送信します。このモードは、ネットワーク間の安全な通信に適しており、VPNゲートウェイを介した拠点間接続などで利用されます。トンネルモードは、より高いセキュリティを提供しますが、トランスポートモードに比べてオーバーヘッドが大きくなる傾向があります。

モード暗号化範囲用途
トランスポートペイロードのみホスト間通信
トンネルIPパケット全体拠点間接続
特徴低オーバーヘッド高セキュリティ
ヘッダー元のヘッダー使用新規ヘッダー付加

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