
目次
記事の要約
- ispaceが2025年3月期通期決算を発表
- 売上高は約47億円、前年比大幅増収
- 2026年3月期はプロジェクト収益ベースで約倍増を見込む
ispace 2025年3月期通期決算発表
株式会社ispaceは2025年5月9日、2025年3月期通期決算を発表した。売上高は47億4300万円で、2月に発表した通期業績予想をやや上回ったのだ。
増収の要因は、会計基準変更に伴うミッション2の売上高の前倒し計上と、ミッション3のペイロード売上高の増加である。営業損益は9億7950万円の赤字、当期純損益は11億9450万円の赤字となった。
2026年3月期の売上高は62億円を見込んでいる。ミッション3が引き続き牽引し、宇宙戦略基金第一期に採択された案件を含むミッション4からの売上も一部開始される予定だ。
ispace決算概要と今後の展望
項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期予想 |
---|---|---|
売上高 | 47億4300万円 | 62億円 |
売上総利益 | 22億4400万円 | 5億円 |
営業損益 | △9億7950万円 | △115億円 |
当期純損益 | △11億9450万円 | △83億円 |
プロジェクト収益について
ispaceは、会計上の売上高にSBIR補助金からの収入を合計した「プロジェクト収益」を試算値として開示している。2025年3月期まではSBIR補助金収入の割合は限定的だったが、2026年3月期からは本格的な貢献が見込まれるのだ。
- 会計上の売上高とSBIR補助金を合算
- 事業成長の実態をより正確に把握
- 2026年3月期はプロジェクト収益が約倍増の見込み
この試算値により、事業成長の実態をより正確に理解できるようになるだろう。
ispace 2025年3月期決算に関する考察
ispaceの2025年3月期決算は、売上高の大幅増収という好結果を残した。民間月面ビジネスの加速と政府支援体制の本格化という追い風を受けていることは、今後の成長に大きく貢献するだろう。しかし、営業損益と当期純損益は依然として赤字であり、収益性の向上は今後の課題である。
今後の課題としては、ミッション4以降の費用増加への対応や、円高などの為替変動リスクへの対策が挙げられる。これらの課題をクリアすることで、持続的な成長を実現できる可能性がある。政府支援や国際的な協調体制の強化も、ispaceの事業展開を後押しするだろう。
今後期待したいことは、ミッション4以降の成功による収益拡大と、月面資源開発における技術革新である。これらの実現によって、ispaceは民間月面ビジネスを牽引する存在となるだろう。月面探査における技術開発の進展にも期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「2025年3月期 通期決算を発表 | 株式会社ispaceのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000140640.html, (参照 2025-05-11).