COBOL(Common Business Oriented Language)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

COBOL(Common Business Oriented Language)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

COBOL(Common Business Oriented Language)とは

COBOL(Common Business Oriented Language)は事務処理用として開発されたプログラミング言語です。1959年に米国で開発され、主に企業における経理や在庫管理などの基幹業務システムで利用されてきました。COBOLは、英語に近い構文で記述できるため、プログラミング初心者にも比較的理解しやすい言語として普及しました。

COBOLは誕生から60年以上が経過した現在でも、多くの企業で現役のシステムとして稼働しています。特に金融機関や保険会社など、大量のデータを扱う業務システムでは、COBOLで構築されたシステムが依然として重要な役割を果たしています。これは、COBOLが信頼性と安定性に優れており、長年にわたって改良が重ねられてきた結果と言えるでしょう。

しかし、COBOL技術者の高齢化や、新しいプログラミング言語の台頭などにより、COBOLシステムの維持・運用が課題となっています。そのため、COBOLシステムをオープン化したり、他の言語に移行したりする動きも活発化しています。COBOLは過去の遺産としてだけでなく、現代のシステム開発においても重要な示唆を与えてくれる存在です。

COBOLの歴史と特徴

「COBOLの歴史と特徴」に関して、以下を解説していきます。

  • COBOLの誕生と進化
  • COBOLの特徴と強み

COBOLの誕生と進化

COBOLは1959年にCODASYL(Conference on Data Systems Languages)という組織によって開発されました。事務処理に特化したプログラミング言語として、企業におけるデータ処理の標準化を目指して誕生しました。初期のCOBOLは、パンチカードによるデータ入力や、磁気テープによるデータ保存を前提としたものでした。

その後、COBOLは時代の変化に合わせて進化を遂げてきました。1968年にはANSI(米国規格協会)によって標準化され、様々なベンダーがCOBOLコンパイラを開発するようになりました。1980年代には、オンライン処理やデータベース処理に対応するための機能が追加され、より高度な業務システムを構築できるようになりました。近年では、オブジェクト指向プログラミングの概念を取り入れたCOBOLも登場しています。

出来事内容
1959年COBOL誕生事務処理用言語として開発
1968年ANSI標準化言語仕様が統一される
1980年代機能拡張オンライン処理に対応
2002年オブジェクト指向オブジェクト指向COBOLが登場

COBOLの特徴と強み

COBOLは事務処理に特化した言語であるため、データの入出力や計算処理に強いという特徴があります。特に、固定長レコードのデータを扱うのに適しており、大量のデータを効率的に処理することができます。また、COBOLは英語に近い構文で記述できるため、プログラムの可読性が高く、保守がしやすいというメリットがあります。

COBOLの強みは、その信頼性と安定性にあります。長年にわたって多くの企業で利用されてきた実績があり、バグが少なく、安定した動作が期待できます。また、COBOLは様々なプラットフォームで動作するため、システムの移植が容易です。さらに、COBOLは多くのベンダーによってサポートされており、技術的なサポートを受けやすいという利点もあります。

特徴内容詳細
データ処理入出力に強い固定長レコード処理が得意
可読性英語に近い構文プログラムが理解しやすい
信頼性安定稼働の実績バグが少なく安定している
移植性多様な環境で動作異なるOSでも動作可能

関連タグ