
目次
記事の要約
- ケイデンスとTSMCがAIおよび3D-ICチップ設計を推進する協業を発表
- TSMCのN2P、A16、N3Cプロセスノード向け設計ソリューションが認定
- 3D-IC設計、パッケージング、システム解析のソリューション提供
ケイデンスとTSMCの協業発表
ケイデンスは2025年5月12日、TSMCとの協業強化を発表した。認証された設計フロー、シリコン実証済みのIP、継続的な技術協力を通じて、3D-ICおよび先端ノードにおける設計からシリコンまでの時間を短縮するのだ。
この協業は、TSMCのN2P、N5、N3プロセスノード向けIPの提供を継続し、チップレットやSoC、先端パッケージング、3D-ICなど複数のアプリケーションに対応する最先端のAI主導型設計ソリューションを提供することを含む。TSMC N2PおよびA16テクノロジー向けの認証ツールとフローも網羅している。
さらに、ケイデンスはTSMC 3DFabric®設計とパッケージングのサポートを拡張し、TSMC A14への道を切り開くとともに3D-ICの可能性をさらに引き出す。新たに発表されたTSMC N3Cテクノロジー認証も拡張していく予定だ。
ケイデンスはTSMCの先進的なN2PおよびA16プロセステクノロジー向けの認定ツールと最適化されたIPにより、AIチップ設計のイノベーションを推進している。メモリIPのリーダーシップを強化するケイデンスは、N2P向けにTSMC 9000プレシリコン認定DDR5 12.8G IPを提供しているのだ。
ケイデンスとTSMCの協業内容
項目 | 詳細 |
---|---|
協業内容 | AIおよび3D-ICチップ設計の推進 |
対象プロセスノード | TSMC N2P、A16、N3、N3C、N5 |
提供ソリューション | 認証済み設計フロー、シリコン実証済みIP、AI主導型設計ソリューション |
対象アプリケーション | チップレット、SoC、先端パッケージング、3D-IC |
その他 | TSMC 3DFabric®設計とパッケージングのサポート拡張 |
提供IP | TSMC 9000プレシリコン認定DDR5 12.8G IP (N2P向け) |
3D-IC設計におけるCadence Integrity 3D-ICプラットフォーム
Cadence Integrity 3D-ICプラットフォームは、3D-IC設計における重要な役割を果たす。このプラットフォームは、3Dblox用リファレンス・フローによる結果品質(QoR)の向上と3DICフルフローQCのサポートを強化しているのだ。
- 静的タイミング、パワーIR、熱解析の最適化
- チップ・パッケージ協調設計
- AI搭載ツールによるマルチチップレット設計のサポート
Cadence Integrity 3D-ICプラットフォームは、3D-IC設計の複雑さを軽減し、設計期間の短縮と効率化に貢献する。高度なマルチフィジックス収束解析も可能にする。
ケイデンスとTSMCの協業に関する考察
ケイデンスとTSMCの協業は、AIチップや3D-IC技術の進歩に大きく貢献するだろう。両社の技術とノウハウを組み合わせることで、より高性能で省電力なチップの開発が加速し、様々な分野でのイノベーションを促進する可能性がある。
しかし、先端技術の開発には常に課題が伴う。設計の複雑化や製造コストの上昇、セキュリティリスクへの対応など、今後様々な問題が発生する可能性がある。これらの問題に対して、両社は継続的な技術開発と協力体制の強化が必要となるだろう。
今後、より高度なAI機能や3D-IC技術の開発、そしてそれらを支える設計ツールの進化に期待したい。特に、設計効率の向上や開発コストの削減、そしてより幅広いアプリケーションへの展開が重要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ケイデンスとTSMCはAIおよび3D-ICチップ設計を推進、TSMC A16およびN2Pプロセステクノロジー向けの設計ソリューションが認定済み | ⽇本ケイデンス・デザイン・システムズ社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000157775.html, (参照 2025-05-13).