
目次
記事の要約
- READYFORで医療機関のクラウドファンディング公開件数が200件を突破
- 2024年の支援総額は前年比1.4倍の約9億2500万円に増加
- 累計支援額は約30億円に到達
READYFORにおける医療機関向けクラウドファンディング
READYFOR株式会社は2025年5月12日、医療機関によるクラウドファンディングの公開件数が200件を突破したと発表した。2017年頃から活用が広がりを見せ、2024年には51件のプロジェクトが公開され、約9億2,500万円の支援が集まったのだ。
2015年のサービス開始当初は年間数件のプロジェクト公開、数千万円の支援額にとどまっていた。しかし、コロナ禍における医療提供側の窮状への注目と、医療従事者を支えたいという寄付マインドの高まりを受け、2021年には年間支援総額が3億円を超えた。その後も寄付マインドはさらに高まり、2024年の支援総額は前年の1.4倍に増加したのである。
診療報酬だけでは賄いきれない設備投資や災害対策をクラウドファンディングで補完する動きが定着しつつある。2024年には、医療機器や救急車両の購入を目的としたプロジェクトが多く見られた。患者体験価値の向上を掲げる施設改修プロジェクトも増加している。
READYFOR医療機関向けクラウドファンディング実績
項目 | 詳細 |
---|---|
累計支援額 | 約30億円 |
2024年支援総額 | 約9億2,500万円 |
2024年プロジェクト件数 | 51件 |
最高支援額プロジェクト | 恵寿総合病院(1億954万7,000円) |
主な資金使途 | 医療機器購入、救急車両購入、施設改修 |
クラウドファンディングの活用
厳しい病院経営環境の下、クラウドファンディングは資金調達の新たな選択肢として活用されている。エネルギー費・物価・人件費の高騰、高齢化に伴う救急搬送件数の増加、医療従事者不足など、医療機関を取り巻く環境は厳しさを増しているのだ。
- 設備投資の資金調達
- 災害対策への備え
- 地域住民との連携強化
クラウドファンディングは資金調達だけでなく、地域住民との対話や広報活動の機会としても活用されている。
医療機関向けクラウドファンディングに関する考察
READYFORにおける医療機関向けクラウドファンディングの成功は、医療機関の資金調達手段の多様化に貢献している。しかし、クラウドファンディングはあくまで補助的な資金調達手段であり、根本的な医療費問題の解決には至らないだろう。そのため、持続可能な医療体制の構築に向けた政府や医療機関の更なる取り組みが必要となる。
今後、クラウドファンディングプラットフォームの機能向上や、医療機関のクラウドファンディング活用に関する教育・啓発活動の充実が求められる。また、寄付者側の意識改革も重要であり、医療への理解を深めるための情報発信も必要となるだろう。
医療機関と地域住民、そしてクラウドファンディングプラットフォームが連携することで、より良い医療環境の構築に繋がることを期待したい。透明性と信頼性を確保し、継続的な支援体制を構築していくことが重要だ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「READYFORにて、医療機関によるクラウドファンディング公開件数が200件に到達 | READYFOR株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000399.000031325.html, (参照 2025-05-14).