
目次
記事の要約
- チューリングが自動運転AI開発にGMO GPUクラウドを採用
- 国内最速のGPUクラウドで開発加速を目指す
- マルチモーダル生成AI Heronなど複数AI技術を統合
GMOインターネットとチューリング、自動運転AI開発基盤にGMO GPUクラウドを採用
GMOインターネット株式会社とチューリング株式会社は2025年5月12日、チューリングが自動運転AI開発基盤としてGMOインターネットが提供する高性能GPUクラウドサービス「GMO GPUクラウド」を採用したことを発表した。国内最速の計算環境を活用することで、完全自動運転の実現に向けた開発を加速させることを目指すのだ。
チューリングは、カメラ映像から運転判断までAIが担うEnd-to-End自動運転システム「TD-1」や、日本の言語ニュアンスを理解するマルチモーダル生成AI「Heron」、現実世界の物理法則に基づいて運転シーンを生成する生成世界モデル「Terra」などを開発している。これらのAI技術を融合することで完全自動運転システムの実現を目指すのだ。
GMO GPUクラウドは、NVIDIA H200 TensorコアGPUや高速ネットワークNVIDIA Spectrum-Xなどを搭載し、大規模モデルの学習・推論処理を高速化する。国内拠点でのデータ管理により、機密性の高い技術・データの安全な取り扱いも実現する。
チューリングの自動運転AI開発とGMO GPUクラウド
AI技術 | 概要 |
---|---|
TD-1 | End-to-End自動運転システム |
Heron | マルチモーダル生成AI |
Terra | 自動運転向け生成世界モデル |
CoVLA Dataset | 自動運転向けVLAモデルデータセット |
マルチモーダル生成AIについて
マルチモーダル生成AIとは、画像、音声、テキストなど複数の異なる種類の情報を同時に処理・理解できる生成AI技術である。Heronは、日本の言語ニュアンスや文化的背景、道路環境などを詳細に理解したマルチモーダル生成AIとして開発されている。
- 複数の情報源を統合的に処理
- 複雑な状況の理解を可能にする
- より高度な判断・予測を実現
この技術は、自動運転において、周囲の状況をより正確に把握し、安全な運転判断を行うために不可欠な要素となるだろう。
チューリングの完全自動運転開発に関する考察
GMO GPUクラウドの採用は、チューリングの完全自動運転開発を大きく加速させるだろう。高性能な計算環境は、大規模なAIモデルの学習を効率化し、開発期間の短縮やAIモデルの精度向上に貢献する。しかし、完全自動運転の実現には、技術的な課題だけでなく、倫理的な問題や社会的な受容なども考慮する必要がある。
今後、より複雑な状況への対応や、予期せぬ事態への対処能力を高めるための技術開発が求められるだろう。また、安全性の確保や、データプライバシーの保護といった課題への対応も重要となる。これらの課題をクリアすることで、真に安全で信頼できる完全自動運転システムの実現に繋がるのだ。
将来的には、チューリングの技術が、自動運転分野のみならず、他の産業にも応用される可能性がある。その際には、それぞれの分野特有の課題への対応が必要となるだろう。継続的な技術革新と社会的な議論を通じて、AI技術の社会実装を進めていくことが重要だ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「GMOインターネットの「GMO GPUクラウド」がチューリングの自動運転向けマルチモーダル生成AI開発基盤に採用 | GMOインターネットグループのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004839.000000136.html, (参照 2025-05-14).