
目次
記事の要約
- 片倉コープアグリが窒素固定菌「ユートリシャN」の全国展開を開始
- コルテバ・アグリサイエンスと協業し、2025年6月から販売開始
- 化学肥料低減と収量安定化を目指すバイオソリューション
片倉コープアグリ、コルテバ・アグリサイエンスと協業し窒素固定菌「ユートリシャN」の全国展開を開始
片倉コープアグリ株式会社は、2025年6月より、コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社およびコルテバ・ジャパン株式会社と協業し、窒素固定菌「ユートリシャN」の全国展開を開始する予定だ。これは、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」における化学肥料使用量30%削減目標達成に向けた取り組みの一環である。
「ユートリシャN」は、作物の葉に散布することで作物内に共生し、大気中の窒素を直接固定して作物に供給する革新的な微生物資材だ。これにより、土壌中の肥料への過剰な依存を軽減し、環境負荷の低減と収量の安定化を同時に実現できる可能性がある。
片倉コープアグリグループは、国内での系統流通販売および普及を担い、コルテバグループと連携して、地域の農業生産者への技術支援と普及活動を展開する予定である。両社グループは、「ユートリシャN」の普及を通じて、日本の農業の持続的な発展に貢献することを目指している。
本製品は、コルテバ・アグリサイエンスが開発・提供するバイオスティミュラント資材であり、世界各国での利用実績がある。
「ユートリシャN」製品概要
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | ユートリシャN |
種類 | 窒素固定菌含有バイオスティミュラント資材 |
開発元 | コルテバ・アグリサイエンス |
販売開始日 | 2025年6月 |
販売元 | 片倉コープアグリ株式会社 |
特徴 | 大気中の窒素を固定し作物に供給、化学肥料低減に貢献 |
窒素固定菌について
窒素固定菌とは、空気中の窒素をアンモニアなどの植物が利用できる形態に変換する能力を持つ微生物のことだ。この能力は、植物の生育に不可欠な窒素を供給する上で非常に重要である。
- 大気中の窒素を固定
- 植物の生育促進
- 化学肥料の削減に貢献
ユートリシャNに含まれる窒素固定菌は、作物の生育を促進し、化学肥料の使用量を削減することに貢献する。環境に配慮した持続可能な農業の実現に役立つ技術と言えるだろう。
「ユートリシャN」全国展開に関する考察
「ユートリシャN」の全国展開は、化学肥料に頼らない農業への転換を促進する上で大きな一歩となるだろう。環境問題への意識の高まりを受け、持続可能な農業への需要はますます増加している。この製品は、その需要に応える有力な選択肢となる可能性がある。
しかし、全国展開に伴い、生産体制の強化や、農家への適切な使用方法の指導など、課題も存在するだろう。また、全ての作物や土壌条件において効果が期待できるわけではない可能性も考慮する必要がある。これらの課題をクリアすることで、より多くの農家に貢献できるだろう。
今後、さらに効果的な窒素固定菌の開発や、既存の農業技術との連携強化が期待される。また、農家のニーズを的確に捉えた技術支援体制の構築も重要となるだろう。これらの取り組みを通じて、日本の農業の更なる発展に貢献できることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「肥料と農薬の垣根を越えた業界横断型イノベーション | 片倉コープアグリ株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000161860.html, (参照 2025-05-14).