目次
記事の要約
- D-Link DIR-600Lの脆弱性CVE-2025-4342が公開された
- formEasySetupWizard3関数におけるバッファオーバーフローが原因
- リモート攻撃が可能で、CVSSスコアは8.7と高い
D-Link DIR-600Lの脆弱性情報公開
VulDBは2025年5月6日、D-Link DIR-600Lルーターの深刻な脆弱性CVE-2025-4342に関する情報を公開した。この脆弱性は、formEasySetupWizard3関数におけるバッファオーバーフローに起因するもので、リモートからの攻撃が可能であることが確認されているのだ。
影響を受けるのは、バージョン2.07B01までのD-Link DIR-600Lである。攻撃者は、引数hostを操作することでバッファオーバーフローを引き起こし、システムを制御できる可能性がある。この脆弱性は、既にメーカーによるサポートが終了している製品に影響を与えるものだ。
CVSSv4のスコアは8.7と高く、深刻な脅威と評価されている。そのため、該当する製品を使用しているユーザーは、速やかに対策を行う必要がある。メーカーによるサポートが終了しているため、ファームウェアのアップデートによる修正は期待できないだろう。
脆弱性詳細と対策
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4342 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-600L (バージョン2.07B01まで) |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
影響を受ける関数 | formEasySetupWizard3 |
攻撃ベクトル | リモート |
CVSSv4スコア | 8.7 (HIGH) |
CVSSv3.1スコア | 8.8 (HIGH) |
CVSSv3.0スコア | 8.8 (HIGH) |
CWE | CWE-120, CWE-119 |
公開日 | 2025-05-06 |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータ書き込みを行う脆弱性のことだ。これは、プログラムがバッファのサイズを適切にチェックせずにデータを受け入れることで発生する。
- 予期せぬプログラムの動作
- システムクラッシュ
- リモートコード実行
バッファオーバーフローは、攻撃者が悪意のあるコードを実行させる可能性があるため、非常に危険な脆弱性である。適切な入力検証やバッファサイズチェックを行うことで、この脆弱性を防ぐことが可能だ。
CVE-2025-4342に関する考察
D-Link DIR-600Lの脆弱性CVE-2025-4342は、既にサポートが終了している製品に影響を与えるため、メーカーによる公式なパッチ提供は期待できない。そのため、ユーザーは製品の交換または代替製品への移行を検討する必要があるだろう。この脆弱性の発見は、サポート終了製品のリスクを改めて認識させるものだ。
今後、同様の脆弱性が他の旧製品でも発見される可能性がある。メーカーは、サポート終了製品についても、セキュリティリスクを考慮した対応策を検討する必要があるだろう。ユーザーは、製品のライフサイクルを考慮し、適切な時期に製品の更新を行うべきだ。
この脆弱性の発見は、テクノロジーデバイスのセキュリティ対策の重要性を改めて示している。今後、テクノロジーデバイスのセキュリティ対策に関する議論が活発化し、より安全な製品開発が求められるだろう。セキュリティ対策の強化は、企業にとってもユーザーにとっても重要な課題である。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4342」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4342, (参照 2025-05-15).