IBMとOracle、エージェント型AIとハイブリッドクラウド推進のため提携を発表

記事の要約

  • IBMとOracleがエージェント型AIとハイブリッドクラウド推進のため提携
  • IBMのwatsonxをOracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供開始
  • マルチエージェントワークフローをサポートするwatsonx Orchestrateを7月にOCIで利用可能に

IBMとOracleのパートナーシップ拡大

IBMとOracleは2025年5月6日、エージェント型AIとハイブリッドクラウドの推進に向けたパートナーシップ拡大を発表した。この提携により、IBMの主力AI製品ポートフォリオであるwatsonxがOracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供されるようになるのだ。

このパートナーシップは、OCIのAIサービスを強化し、企業全体でのマルチエージェント型AI導入を促進することを目的としている。複数タスクを完了するための単一で使いやすいインターフェースを提供できるAIエージェント群は、企業の業務全体におけるAI導入を簡略化する重要なツールとして台頭しつつあるのだ。

具体的には、IBMは7月にマルチエージェントワークフローをサポートするwatsonx OrchestrateのAIエージェントオファリングをOCIで利用可能にする予定だ。watsonx Orchestrateは、Oracle Fusion Applications向けのOracle AI Agent Studio、OCI Generative AI Agents、およびOCIにおけるその他のAIサービスと連携するよう設計されている。

さらに、OracleはIBMのAIモデルであるIBM GraniteファミリーをOCI Data Scienceで提供する予定である。これにより、Oracle Fusion Applicationsのエコシステムが拡張され、サードパーティのアプリケーションやカスタムアプリケーション、さまざまなデータソースに対して、さらなる機能強化が可能になるのだ。

IBMとOracleの協業内容

項目詳細
提携内容IBMのwatsonxをOracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供
提供開始時期watsonx Orchestrateは7月予定、IBM Graniteは今年後半予定
対象製品watsonx、watsonx Orchestrate、IBM Graniteファミリー、IBM Envizi ESG Suite
実行環境Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、Red Hat OpenShift
連携サービスOracle AI Agent Studio、OCI Generative AI Agents
最初のユースケース人事領域
提供地域OCIの全リージョン(パブリック、ソブリン、政府・自治体向け、Oracle Alloyを含む)
その他IBM Envizi ESG Suiteは今後12ヶ月以内にサウジアラビアで提供開始予定
IBMとOracleの協業詳細

エージェント型AIについて

エージェント型AIは、複数のタスクを自動化し、異なるシステムやプロセス間で連携することで、業務効率を向上させる技術だ。複数のAIエージェントが連携して複雑なタスクを実行することで、人間による介入を最小限に抑えることが可能になる。

  • 業務自動化
  • システム連携
  • 生産性向上

この技術は、企業におけるデジタル変革を加速させる上で重要な役割を果たすと期待されている。特に、複雑なビジネスプロセスを持つ大企業においては、大きな効果を発揮するだろう。

IBMとOracleの協業に関する考察

IBMとOracleの協業は、エージェント型AIとハイブリッドクラウドの分野における大きな進展と言える。両社の技術を組み合わせることで、企業はより容易にAIを導入し、ビジネススキルプロセスを最適化できるようになるだろう。しかし、セキュリティやプライバシーに関する課題、AIエージェントの管理の複雑さといった問題も考慮する必要がある。

起こり得る問題としては、AIエージェントの誤動作による業務中断や、データ漏洩などが考えられる。これらへの対策として、堅牢なセキュリティ対策や、AIエージェントの動作監視システムの導入が重要となるだろう。また、AIエージェントの開発・運用に関する専門知識を持つ人材育成も不可欠だ。

今後追加してほしい機能としては、AIエージェントの学習機能の強化や、より直感的なユーザーインターフェースなどが挙げられる。また、様々なビジネスニーズに対応できるよう、AIエージェントの種類を増やすことも重要だ。IBMとOracleには、これらの課題を解決し、企業のデジタル変革を支援する革新的なソリューションを提供し続けてほしい。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「IBM と オラクル、エージェント型 AI とハイブリッドクラウドの推進に向けパートナーシップを拡⼤ | 日本アイ・ビー・エム株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000634.000046783.html, (参照 2025-05-15).

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