
目次
記事の要約
- MJOLNIR SPACEWORKSが40kN級ハイブリッドエンジンの地上燃焼試験に成功
- 2024年11月と2025年3月にそれぞれ試験を実施
- NEDOの助成事業「SBIR推進プログラム」による成果
MJOLNIR SPACEWORKSの40kN級ハイブリッドエンジン地上燃焼試験成功
株式会社MJOLNIR SPACEWORKSは、40kN級ハイブリッドエンジンの地上燃焼試験を2024年11月と2025年3月に実施したと発表した。11月の試験はプロトタイプエンジン、3月の試験は改良型エンジンを用いて実施されたのだ。
これらの燃焼試験を通して、短期間での繰り返し燃焼試験の実施が可能になったという。同社は、ロケットエンジンの大量生産において、製品の大量生産に加え、顧客の要求に合わせた試験の実施が重要だと考えているのだ。
そのため、高頻度な燃焼試験を実現し、アジャイルな製品開発により、より良い製品を早く市場に投入するべく努力を続けている。
燃焼試験概要と協力企業
項目 | 詳細 |
---|---|
試験実施日 | 2024年11月、2025年3月 |
エンジン種類 | 40kN級ハイブリッドエンジン |
11月試験 | プロトタイプエンジン使用 |
3月試験 | 改良型エンジン使用 |
試験場所 | 株式会社植松電機(北海道赤平市) |
助成事業 | NEDO SBIR推進プログラム |
ハイブリッドロケットエンジンについて
ハイブリッドロケットエンジンは、固体燃料と液体酸化剤を使用するロケットエンジンである。固体燃料と液体酸化剤を別々に貯蔵できるため、安全性が高い点が特徴だ。
- 固体燃料と液体酸化剤の組み合わせによる高い安全性
- 推力調整の容易さ
- 環境負荷の低減
近年、宇宙開発における環境問題への意識の高まりから、環境負荷の低いハイブリッドロケットエンジンへの注目が集まっている。
MJOLNIR SPACEWORKSの40kN級ハイブリッドエンジン地上燃焼試験に関する考察
今回の燃焼試験成功は、MJOLNIR SPACEWORKSの技術力の高さを示す大きな成果であり、今後の商用化に向けた大きな一歩となるだろう。短期間での繰り返し燃焼試験の実現は、コスト削減や開発期間短縮に繋がるため、競争優位性を確立する上で非常に重要だ。
しかしながら、商用化に向けては、更なる信頼性向上や、大規模な生産体制の構築といった課題も残されている。これらの課題をクリアするためには、継続的な研究開発と、関係各社との連携強化が不可欠となるだろう。
将来的には、より高推力、高効率なエンジンの開発や、様々なミッションに対応できる汎用性の高いエンジンの開発が期待される。更なる技術革新によって、宇宙開発の加速に貢献してくれることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「40kN級ハイブリッドエンジンの地上燃焼試験に成功、MJOLNIR SPACEWORKS(ミヨルニア・スペースワークス) | 株式会社MJOLNIR SPACEWORKSのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000154690.html, (参照 2025-05-15).