目次
記事の要約
- OpenHarmony v5.0.3以前のバージョンの脆弱性が公開された
- Arkcompiler_ets_runtimeにバッファオーバーフローの脆弱性がある
- ローカル攻撃者によるDoS攻撃が可能
OpenHarmonyのセキュリティ脆弱性情報公開
OpenHarmonyは2025年5月6日、OpenHarmony v5.0.3以前のバージョンにおけるセキュリティ脆弱性に関する情報を公開した。この脆弱性はkcompiler_ets_runtimeコンポーネントのバッファオーバーフローに起因するもので、ローカル攻撃者がサービス運用妨害(DoS)を引き起こす可能性があるのだ。
具体的には、CWE-120(バッファコピー時の入力サイズチェックの欠如)に該当する脆弱性であり、CVSSスコアは3.3(低リスク)と評価されている。影響を受けるバージョンはv4.1.0からv5.0.3までである。OpenHarmonyは、この脆弱性に対処するための対策を講じる必要があると判断している。
この脆弱性情報は、OpenHarmonyの公式セキュリティ情報サイトにも掲載されている。開発者は、速やかに最新バージョンへのアップデートを実施し、システムの安全性を確保する必要がある。この脆弱性を利用した攻撃は、既に確認されているわけではないが、潜在的なリスクは存在するのだ。
脆弱性詳細と対策
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性識別子 | CVE-2025-25052 |
公開日 | 2025-05-06 |
更新日 | 2025-05-06 |
影響を受ける製品 | OpenHarmony v4.1.0~v5.0.3 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
深刻度 | 低(LOW) |
CVSSスコア | 3.3 |
CWE | CWE-120 |
攻撃ベクトル | ローカル(AV:L) |
バッファオーバーフロー脆弱性について
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータ書き込みを行う脆弱性のことだ。これは、プログラムがバッファのサイズを適切にチェックせずにデータを受け入れる場合に発生する。攻撃者は、この脆弱性を悪用して、プログラムの動作を破壊したり、任意のコードを実行したりすることができるのだ。
- プログラムのクラッシュ
- サービス運用妨害(DoS)
- 任意コード実行
バッファオーバーフローは、多くのプログラミング言語やシステムで発生する可能性があるため、開発者は、バッファオーバーフローを防ぐための適切なコーディング規約に従う必要がある。入力データのサイズチェックや、安全なメモリ管理技術の利用が重要だ。
CVE-2025-25052に関する考察
OpenHarmonyにおけるCVE-2025-25052は、ローカル攻撃者によるDoS攻撃を許容する脆弱性である点が懸念される。幸い、CVSSスコアが3.3と低く評価されているため、影響は限定的と考えられるが、迅速な対策が重要だ。特に、v4.1.0からv5.0.3までのバージョンを使用しているシステムは、早急にアップデートを行うべきである。
今後、この脆弱性を悪用したより高度な攻撃手法が開発される可能性も否定できない。そのため、OpenHarmony開発チームは、継続的なセキュリティ監視と迅速なパッチ提供体制の維持が求められる。また、ユーザーに対しても、セキュリティアップデートの重要性に関する啓発活動を行うことが重要だろう。
さらに、OpenHarmonyの開発プロセスにおいて、セキュリティコードレビューや静的・動的解析ツールなどを活用した、より厳格なセキュリティ対策の導入が望まれる。これにより、将来的な脆弱性発生リスクを低減し、より安全なシステムを提供することが可能になるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-25052」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-25052, (参照 2025-05-15).