
目次
記事の要約
- トゥモロー・ネットがマルチAIエージェント「CAT.AI」発表
- 複数AI連携で情報収集・判断・実行を自動化
- 7月提供開始、顧客体験向上と業務効率化を目指す
トゥモロー・ネットがマルチAIエージェント「CAT.AI」を2025年7月に提供開始
株式会社トゥモロー・ネットは、複数のAIエージェントが連携してタスクや問い合わせを自動化するマルチAIエージェント機能を実装したAIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」の最新バージョンを2025年7月に提供開始する。この新機能は、顧客体験の向上と業務効率の改善を目的としている。
マルチAIエージェントは、業務用途に応じて専門性を持つ複数のAIエージェントが役割を分担し、情報収集・判断・応答などの機能を実行する。ユーザーからのリクエストに対し、リードエージェントが各エージェントの動作を制御・連携させ、タスクの並行処理を実現する。
これにより、シングルエージェントでは対応が難しかった複雑な業務にも柔軟に対応できるようになり、問い合わせ業務における回答幅を広げ、AIによる自動化システムの運用を簡素化し、業務効率化およびスムーズで分かりやすい顧客体験を促進する。
CAT.AIマルチAIエージェントの機能
AIエージェントの種類 | 主な機能 | 活用シーン |
---|---|---|
Operational AI(タスク実行型) | タスクの実行(選択・解析・判断・作成など) | 受発注、資料作成、データや文章の解析・分析・要約・カテゴライズ |
Generative AI(RAG×LLM型) | RAGを活用した大規模言語モデル(LLM)との連携による回答生成 | 商品情報、書類の検索・回答、FAQ・返信文の作成、ガイドラインに基づいた専門的な回答の生成 |
Navigational AI(NLP/ナビゲーション型) | ナビゲーション形式での回答サポートや手続きの進行 | 手続き・予約・照会・変更などのカスタマーサポート業務、情報の聴取・ユーザー情報の特定 |
Human(有人によるチャット/コール) | AIエージェントの対応範囲外の業務や緊急性の高い対応 | 苦情などの感情的な要素が必要になる対応、AIエージェントのエスカレーション対応 |
RAG(検索拡張生成)について
RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、検索拡張生成技術のことで、大規模言語モデル(LLM)が持つ知識の限界を補完する手法のことを指す。RAGは、外部の知識ソースから関連情報を検索し、その情報を基にLLMが回答を生成することで、より正確で信頼性の高い情報提供を可能にする。
この技術により、LLMは常に最新の情報に基づいて回答を生成できるため、情報の鮮度や正確性が求められるビジネスシーンでの活用が期待されている。CAT.AIのGenerative AIは、このRAG技術を活用することで、商品情報やFAQなど、多様な情報源から最適な回答を生成することが可能になっている。
CAT.AIマルチAIエージェントに関する考察
CAT.AIのマルチAIエージェントは、複数のAIエージェントが連携することで、より複雑なタスクに対応できる点が優れている。特にカスタマーサポート業務においては、問い合わせ内容に応じて最適なAIエージェントを組み合わせることで、顧客満足度の向上に貢献することが期待されるだろう。
今後の課題としては、各AIエージェントの連携における精度向上が挙げられる。異なるAIエージェント間での情報伝達やタスクの引き継ぎがスムーズに行われるように、AI技術のさらなる進化が求められるだろう。また、AIエージェントの導入・運用コストの低減や、中小企業でも導入しやすい価格設定が実現すれば、より幅広い企業での活用が期待できる。
将来的には、AIエージェントが顧客の感情を理解し、よりパーソナライズされた対応ができるようになることが望ましい。また、AIエージェントが自律的に学習し、業務プロセスを改善する機能が追加されれば、さらなる業務効率化が期待できるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「トゥモロー・ネット、CAT.AI マルチAIエージェントを発表 複数のAIエージェントが連携して業務を自動化 | 株式会社トゥモロー・ネットのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000024676.html, (参照 2025-04-28).